毎年この時期に台湾で開催される、COMPUTEX TAIPEI だが、今年も様子をレポートする。
まずは、今年から新設された、SmarTEXエリア。このエリアは、主にIoT関連製品が展示されているということではじめに回った。ネットワーク機器や、スマートホーム関連の機器を中心に多くの機器が展示されていた。そんな中、台湾企業の製品・サービスで面白そうなものをいくつか見つけることができた。
昨年の様子はこちらから。
COMPUTEX TAIPEI 2015 総括編
COMPUTEX TAIPEI 2015で見つけたウェアラブルリングや、スマートグラス
intelの工場IoTソリューション
マイクロソフトの物流IoTソリューション
アパレルのIoT、スマートクローズハンガー
PM2.5などを検知し、自動で空気洗浄
ダイエット、トレーニングにIoTウェア Bioman(バイオマン)
GIGABYTE
もともとPCの部品の展示が中心だった、COMPUTEX。PCの筐体やファン、ケーブル、などの様々な部品が展示されている。
そんな中、GIGABYTEは、PCのマザーボードのメーカーだが、今回の展示はVRを利用したレーシングゲームの展示だった。
3D映像をVRで鮮明に動かそうとするとかなりのマシンパワーが必要になるのだが、最近のPCはこの手の処理もお手の物だ。
臨場感のある映像を楽しむことができる。
参考:GIGABYTE
HOLUX Technology
HOLUX Technologyは、GPS製品や、ヘルスケア製品を作る台湾発のハイテクメーカーだ。
今回の展示では、ウエアラブルデバイスを展示していたが、興味深かったのは、居眠りセンサーだ。
画像左下をタップすると画面が遷移して、脈の状態から居眠りしているかどうかを計測するというのだ。
通常、ドライバーがクルマの運転をする際に利用する機能だということで、運転をしていると興奮状態だから脈が上がり、居眠りをすると脈は下がるということを利用して測定しているとのことだ。また、このウェアラブルデバイスはスマートフォンともBLE接続が可能なので、居眠りをするとスマートフォンから警告おんもなるという。
AppleWatchとは違い、UIが単純で、グレースケールでの表示であることからもわかるように電池の持ちは良いということだ。
ST&T
ST&Tは台湾のハイテク企業で、主にスマートホーム製品を作っている。
写真のスマートプラグだけでなく、スマートカメラ、スマートロック、ライト、ゲートウェイ機器など一通りの開発を行っている。
日本では利用することができないスマートプラグだが、写真を見るとわかるように、マルチタップでも利用可能なのが面白い。
オーバーロードを検知したら、メールを送信する機能や、定圧を超えると警告する機能、利用状況を可視化したり、コントロールしたりする。
例えば、Amazon Echoのようなコントローラーがあって通信規格があっていれば、電源をオン・オフできるので、例えば眠る時に、家の電気を一括でオフにするというようなことも対応可能となるのがスマートプラグの良いところだ。
参考:ST&T
紡織産業綜合研究所
紡織産業綜合研究所は台湾の紡織に関する研究機関だ。このブースではグローブが展示されていた。
このグローブ、普通のグローブではなく、マルチコプターを制御することができるグローブだ。SFのようなユーザインタフェースが興味を引いた。
https://youtu.be/PDpftaQd-F0
Beseye
Beseye Cloud Securityは、台北だけでなく、ニューヨーク、上海にも拠点を持ち、すでに日本でも代理店がある、ホームセキュリティカメラのメーカーだ。
形が、NESTに似ているが、レンズを含め可動域が全て360度回転することが面白い。つまり、どういう角度でつけても見やすい方向に設置することが可能のなのだ。
データはクラウド上に7日間保管され、必要なアラームを知らせる。IFTTTを連携すると、他のスマートホーム機器とも連携することができるということだ。
他にもかなり豊富な機能があるので、気になる人は参考ページを見て欲しい。
参考:Beseye
ThroughTek
ThroughTekは、IoTプラットフォーム”Kalay”を提供する企業だ。
今回の展示は、IoTプットフォームの展示で、様々なデバイスとの連携を容易にしているため、コンシューマー向け機器との連携を容易にするのだ。
180のSoCと50を超えるチップセットベンダーに対応し、短時間でIoT製品をマーケットに投入するために、APIやSDKがあらかじめ準備されているということだ。国内のプラットフォームを見ていてもここまでの対応力のあるものを見かけないので、可能であればベンチマークしてみたいところだ。
一例として、スマートホーム機器を作っている、Mioの展示などもされていた。
参考:ThroughTek
brinno
brineは、タイムラスプカメラのメーカーだ。タイムラスプとは、動画を撮るのではなく、連続した静止画をとることができるのだが、このカメラのすごいところは、建設・工事現場などで簡単に設定して、約60日(昼間、撮影間隔10分の場合)間利用が可能というところだ。
これを使うことで、イベントの記録写真を撮ったり、農作物の生育状態を観測したり、建設・工事現場の状態を取得したりすることが可能だということだ。
IoT機器にするため、データをSIMを使って送って欲しかったところだが、残念ながらそこまでの機能はなかった。
しかし、タイムラスプ機能を使った定点監視のニーズは可能性があると感じた。
参考:brinno
次回以降では、ベンチャー企業が集まるInnoVEXエリアと、本会場の大企業に焦点を当てていく。
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。