東日本旅客鉄道株式会社(以下、JR東日本)、先進モビリティ株式会社、愛知製鋼株式会社、京セラ株式会社、京セラコミュニケーションシステム株式会社、株式会社ジェイテクト、ソフトバンク株式会社、日本信号株式会社、日本電気株式会社、およびBOLDLY株式会社は、気仙沼線BRTにおいて自動運転バスの実用化に向けて実証実験を行っている。
このほど、2021年9月14日~9月19日の期間、自動運転バス試乗会を開催することを発表した。
試乗会では、BRT(バス高速輸送システム)専用道内で実運用を想定した環境を構築し、自動運転にて60km/h走行、トンネル内走行、障害物検知による自動停止、対向バスとの交互通行、車内モニタリングなどを体験できる。
- 自動運転によるバスの運転制御
- 磁気マーカを用いた安全な自動運転制御
- 無線を用いた交互通行制御
- 地上側のセンサによる車両制御
- 遠隔監視システムによる車内監視および乗客の動向検知
JR東日本が製作したBRT専用大型自動運転バスを用いて試乗会を開催し、BRT専用道の柳津駅・陸前横山駅での正着制御(ホームに近づいて並行して停止するよう自動制御)を実施する。バスに設置した各種センサで前方に障害物を検知した際には安全に停車するという。
全試乗区間の走路に沿って埋設した磁気マーカの磁力を、車底部に設置した磁気センサ(MIセンサ)で検知し、自車位置を正確に特定する。RFIDタグ(※1)付きの次世代磁気マーカを用いることで、自車位置の特定を行う。磁気マーカに沿って車両の目標とする走行軌跡を作成している。磁気マーカを用いることでGNSS(全球測位衛星システム)電波の届かないトンネルを含む専用道上の安全走行を実現する。
LTEおよびITS(高度道路交通システム)無線を用いて自動運転バス、対向バスおよびクラウド信号機間のネットワークを構築し、自動運転バス、対向バスのそれぞれの位置情報をもとに信号制御を行い、BRT専用道内での交互通行を実現する。誤進入検知カメラを設置し、専用道内で誤進入が発生した際に対向側の信号を赤として進入を抑制することで、万が一における安全対策を実現する。
見通しの悪い場所における落石や、小型の障害物など、バス側のセンサで検知しづらい障害物を検知する目的で専用道の特定箇所においてインフラセンサを設置し、より高い安全性を確立させる。地上側に風速計を設置し自動運転バスの制御システムと連携し、強風時にリアルタイムで安全にドライバーに引き継げる仕組みを構築する。
自動運転バスに車内カメラを設置し、車内映像をAIでリアルタイムに解析すると同時に、映像をクラウドにアップロードしリアルタイムな遠隔監視を実現する。
QZSS(みちびき(※2))、GPS、GLONASS(※3)などの信号を用いて走行車両を測位し、走行中の席移動などを検知した際には、乗客に対して即時注意喚起を行うと同時に、該当シーンの映像と発生場所を保存する。大容量通信が難しいトンネル区間についてはプライベートLTE網を構築し、自動運転中は常時車内モニタリングができる環境を実現する。
※1 RFIDタグ:電磁界や電波などを用いた近距離の無線通信により情報をやりとりするためのICチップが埋め込まれたタグ。
※2 準天頂軌道の衛星が主体となり構成されている日本の衛星測位システム。
※3 ロシアの衛星測位システム。
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