トヨタは、東京都で走行する500台のタクシー車両に搭載した通信型ドライブレコーダー「TransLog」から収集される「走行画像」や「車両データ」を解析し、その結果から得られる「レーン別渋滞情報」を、スマートフォン向けナビゲーションアプリ「TCスマホナビ」に配信するサービスを、2018年春より開始する。
なお、同サービスはトヨタが全国ハイヤー・タクシー連合会(以下 全タク連)と本年4月に開始した実証実験の成果である。詳細についてはこちら。
また、トヨタが昨年12月より提供を開始した無料ナビゲーションアプリ「TCスマホナビ」の詳細についてはこちら。
トヨタは、2002年に車載通信機(DCM)を実用化、2005年からレクサス車に標準搭載、及びトヨタ車にオプション搭載を開始し、エアバッグ作動時の緊急通報サービスやナビ地図データの自動更新、オペレーターサービス等を提供している。
2011年からは、DCMから収集された走行データを用いたビッグデータ交通情報サービスを、「Tプローブ交通情報」として純正ナビゲーションシステムやTCスマホナビに提供している。
今回、開発された「レーン別渋滞情報」は更にそれを補完するものであり、「TransLog」から収集された「走行画像データ」を、AIを用いて解析することにより、車線ごとの混雑情報を提供するものだ。
これにより、従来の交通情報では道路の区間単位でしか認識できなかった渋滞状況が、車線単位に認識でき、更にはその状態を画像でも確認できるようになる。
今回の実証サービスにおいて、情報の提供範囲は東京都心部であり、TCスマホナビのみからの利用となるが、ユーザーの利用状況や、各種の技術的評価を行い、提供地域や利用できる情報端末を拡大することも検討していくという。
また、タクシーの走行画像データからは工事規制や事故車両の情報、路上の障害物、更には駐車場の満空状況や道路沿いの店舗の混雑状況など様々な情報が得られ、トヨタは、それらの情報をリアルタイムに抽出し、新たな交通情報サービスとして提供する開発を進めている。
冒頭写真は、レーン別渋滞情報のスマートフォン表示イメージ。情報を表示可能な場所に近づくと渋滞しているレーンを色で表示し、同時に音声でお知らせする。タップすると映像がポップアップされる。
また、下記は工事規制レーン情報のスマートフォン表示イメージ。情報を表示可能な場所に、工事中を示すマークが表示され、タップすると映像がポップアップされる。
【関連リンク】
・トヨタ(TOYOTA)
・全国ハイヤー・タクシー連合会(Japan Federation of Hire-Taxi Associations)
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。