2019年7月3日都内にて、マクニカネットワークスが、「IoT活用でスマートビルディング・オフィス・工場!〜LoRaWAN™で簡単IoT〜」と題したセミナーを開催した。
今回はその内容について紹介したい。
まずはマクニカネットワークス LPWA事業推進部 部長代理 今任 雅樹氏(トップ画)よりLPWAとLoRaWAN™の概要についての説明がなされた。
LPWAとは
LPWAは、Low Power Wide Ariaという通信技術のことを指し、少量のデータを低消費電力でより遠くにふかすことができる通信だ。
IoTの新しい接続方法はここ数年で様々な技術が出てきており、LPWAの1つがLoRaWAN™であり、セルラー系であれば、Cat.M1やNB-IoTといったものだ。
LPWAがなかった時代では、センシングをしてデータを取ることが難しかったが、LPWA登場により、IoTなど新しい市場が立ち上がってきているという。
総務省が発行している平成29年版情報通信白書では、2016年から2021年にかけて、LPWAモジュールの出荷台数の推移および予測として10倍になるとしている。
LoRaWAN™の概要
LoRaWAN™という規格自体は、LoRa Alliance™という団体が規格の策定を行なっている。
しかしLoRa Alliance™がLoRaWAN™の規格をする前から、無線部分の変調方式としてのLoRa®は既に存在していた。
例えばモジュールベンダーAが作ったLoRa®はモジュールベンダーAが作ったデバイス同士でしか繋ぐことができなかった。
そこをLoRa Alliance™が変調方式の上のレイヤーにMAC層を定義することによって、相互接続性が保たれ、ベンダーAのデバイスでもベンダーBが作ったデバイスでも使うことができるようになった。
この相互接続性のおかげでLoRaWAN™が幅広く使われ始めた。
日本ではRFIDなどで使われている920MHz帯を使用している。
また、回数制限なしの双方向通信に対応していることも、通信のやり取りを頻繁に行うユースケースにおいては選ばれる特徴の1つである。
さらに、IoTのシステムではセンサー端末がバッテリー駆動をしており、端末側の消費電力も考えなければならない問題だ。一番端末の消費電力を使うのは無線を送信するという作業だ。
そのため、センサーが無線をふく回数をいかに減らすことができるかと考えられたのがADR(Adaptive Data Rate)という機能だ。LoRa®変調のエンド端末とゲートウェイの間の無線部分の通信の速度をネットワークサーバー側から自動的に調整するという機能である。
通信状況が良い場所に設置されたセンサーに関しては、早く送信し、無線を止めることでセンサーを寝かせる。一番早いデータレートと、一番遅いデータレートでは、100倍程度の単位で送信時間が変わってくるため、データレートの調整を行うと、端末の電池の持ちが良くなるということだ。
次ページは、「なぜLoRaWAN™が使われるのか」
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