なぜLoRaWAN™が使われるのか
様々な理由の中から、今任氏は大きく3つの理由を掲げた。
1つ目は、多彩なネットワーク構成に対応できる点だ。パブリックなネットワーク構成にも適用され、工場などの中だけで使う閉じたIoT網にも適用することができる。

2つ目に、セキュリティの点で無線のプロトコルレベルで2つの鍵が定義されている。1つは端末からネットワークサーバー(NwkSKey)、もう1つは端末からアプリケーションサーバーまでのセキュリティ(AppSKey)を二重でかけることができる。
IoTのシステムの中で、End to Endでセキュリティをかける場合、HttpsやIPsecなど他の通信網を使っても行えるが、端末側をそれに対応できる仕様にしなければならない。
NwkSKey,AppSKeyでのセキュリティの仕組みでは、HttpsやIPsecよりも低いレイヤーであるLoRaWAN™のレイヤーに対応していることで、単純な仕様の端末でも対応が可能となり、コスト削減につながる。
3つ目にオープンな規格であることが挙げられる。三年間で現在500社以上の団体が加盟している。
Wi-fiアライアンスでは、500社に達成するまでに12年かかっていることを考えれば、普及率の速さがわかる。
参入社が増えれば増えるほど、様々なユースケースに対応できるというメリットがある。また、出荷台数が増えれば、端末やゲートウェイの価格が下がるので、さらにユーザーが増えるという好循環を生み出す仕組みになっている。
次ページは、「LoRaWAN™の課題に対するソリューション」
無料メルマガ会員に登録しませんか?
膨大な記事を効率よくチェック!

現在、デジタルをビジネスに取り込むことで生まれる価値について研究中。IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。