製造業では、3Dモデルから3Dプリンタで材料を積層し立体を造形する手法「Additive Manufacturing(以下、AM)」に期待が寄せられる一方、単に既存加工法からAMに置き換えるだけではコスト増や品質低下を招くことがあり、設計初期段階から専門的知見が必要となる。
そうした中、トランスコスモス株式会社と応用技術株式会社は共同で、デジタルマニュファクチャリング実現に寄与する協働事業「toDMG」を展開しているが、顧客(製品・部品メーカ)やサービスビューロとの試作を繰り返しながらの入念なすり合わせが、プロセスを通じて常時発生するという課題があったという。
そこで、トランスコスモスと応用技術は本日、「toDMG」サービスにて支援しているAMによる電動ゴーカート車体部品造形プロジェクトにおいて、VR技術を活用した「VRデザインレビュー」システムの試行を行ったことを発表した。
この「VRデザインレビュー」は、株式会社イメイドと一般社団法人ものづくりネットワーク沖縄の、電動ゴーカートのフロントバンパーブラケット造形へのAM活用プロジェクトにて、そのすり合わせをバーチャルにリモートで行ったものだ。
具体的には、ものづくりネットワーク沖縄の沖縄拠点にいるメンバー、応用技術の大阪オフィスにいるメンバー、トランスコスモス東京オフィスにいるメンバーが、VRゴーグルを装着し、独自に開発したVR空間に同時アクセス。作成した電動ゴーカートのフロントバンパーブラケットの造形前3DモデルをVR空間にてレビューした。
試行の結果、複数拠点からの同時接続であっても遅延なくコミュニケーションでき、重たい3D設計データも表示できたという。
今後両社は、さらなる設計現場でのトライアルと機能開発を進め、ブラッシュアップしていくとしている。
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