東海旅客鉄道株式会社(以下、JR東海)は、東海道新幹線の安全確保に向け、列車の到着や発車の際のホーム上での安全確認を行う駅輸送担当者に対し、教材を使用した知識面での教育と、固定設置型のシミュレータ装置を用いた実践的な訓練を行ってきた。
そして今回、駅ホーム上で発生する異常事態への対応力を強化するため、没入感のある仮想空間で様々な事象を再現するVR訓練シミュレータを、東海道新幹線全駅に導入したと発表した。
VR訓練シミュレータの特徴としては、天候や昼夜、可動柵・固定柵の有無などのシチュエーションを選択でき、駆け込み乗車やホーム下への転落など、様々な異常事態を再現することが可能な点だ。(トップ画:乗り遅れた顧客が挟まれたケース)
リアリティのあるCG映像をVRヘッドセット内で投影し、実際にその場にいるかのような没入感を体感できる。訓練者の視点や習性に応じて、講師が任意のタイミングと箇所で異常事態を発生させることも可能だ。
導入による効果としては、実際に経験することが少ない様々な異常事態に対して、適切な取扱いを繰り返し訓練することが可能となり、駅輸送担当者の異常時対応力が強化される。
また、VRシミュレータが全駅に配備されることで、自駅の会議室等で訓練ができ、訓練の頻度が高くなることが挙げられている。
導入時期は2024年4月で、導入台数はVRシミュレータ17台、導入箇所は東京駅~新大阪駅の東海道新幹線全17駅となっている。
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