福井県吉田郡永平寺町の「永平寺参ろーど」では、まちづくり株式会社ZENコネクトの運用により、2019年6月から約6ヵ月間、自動運転電動カートを用いた移動サービス実証を行っている。
そして今回、同実証においてKDDI株式会社と株式会社ナビタイムジャパンは、自動運転電動カートに対応したルート提供を開始した。
同実証では「auナビウォーク」や「NAVITIME」のナビゲーションサービスにおいて、自動運転電動カート、徒歩、鉄道、バス、車などの移動手段を組み合わせたドアtoドアのルートを提案する。例えば、福井駅から大本山永平寺までルート検索した場合、通常の検索結果に、電車と自動運転電動カートを利用したルートが提示される。利用者は、様々なバリエーションからルートを選択できる。
また、カーナビアプリ「au助手席ナビ」「カーナビタイム」、「NAVITIMEドライブサポーター」にて、荒谷地区の実証実験向け無料駐車場データを追加した。これによりドライバーは、駐車場でマイカーを駐車して自動運転電動カートへ乗り継ぐことができる。
ナビタイムジャパンでは、複数の移動手段を組み合わせたドアtoドアの経路探索エンジンを独自で開発し、これまで公共交通機関や車に加えて、自転車、バイク、トラックなどといった様々なモビリティに対応してきた。
今回、経路探索エンジンの改良を行い、ナビタイムジャパンとして初めて自動運転電動カートに対応した。これにより、これまで地域住民や旅行者に周知する手段や利用者の増加に対する施策に課題があったが、ナビゲーションサービスを通じてルート検索上で直接、移動需要がある人に訴求することができるようになったため、自動運転電動カートの利用促進に繋がるという。
今後は、ユーザーの経路検索データを分析し、現状把握や効果検証を行い、自動運転電動カートの利用最適化を目指す。
なお、同実証は、経済産業省・国土交通省の「高度な自動走行システムの社会実装に向けた研究開発・実証事業」のうち、2016年度から国立研究開発法人 産業技術総合研究所が幹事機関として受託し推進している「専用空間における自動走行などを活用した端末交通システムの社会実装に向けた実証」(ラストマイル自動走行の実証評価)の一環である。
実証においては、地域住民および観光客が試乗しながら、車両やシステムの信頼性や安全性の検証、事業性の評価や社会受容性の醸成などを行っている。社会受容性を向上させる一つの手段として、KDDIのコンテンツや、ナビタイムジャパンの経路探索技術を活用し、自動運転電動カートの利用促進を図る。
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