半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(以下、ST)と、モーターのメーカーでST Partner Programの参加メンバーであるmaxonは、ロボット/産業機器向けサーボ・ドライバの設計の加速に向けて協力することを発表した。
今回両社が共同で開発した評価キット「EVALKIT-ROBOT-1」は、サーボ・ドライバや、ロボットの位置決めおよびモーション制御の開発をサポートするプラグ・アンド・プレイ型のソリューションで、1024パルス/回転のインクリメンタル・エンコーダを搭載したmaxonの100W ブラシレスDC(BLDC)(※1)モータが含まれている。maxonの磁気設計に関する専門性に基づき、低速回転でもスムーズかつバランスの取れた制御を実現する。
同梱のサーボ制御ボードには、STの3相モータ・コントローラであるSTSPIN32F0A(※2)と、すぐにモータに接続して使用できる、STのパワー・トランジスタで構成されたインバータが搭載されている。また、モータ制御用のファームウェアも含まれているため、容易にモータを始動させ、コマンド送信を始めることができる。
STのモーション・コントロール製品担当マーケティング・マネージャのBranimir Ivetic氏は「高精度の位置決め機能を備えたハイエンドのモーション制御の設計は、複雑で時間を要するため、専門的な技術が必要です。maxonとの協力により、このような技術を一つの評価キットで実現することができました」と述べている。
なお、同評価キットの価格は129.00ドルである。
※1 3相ブラシレスDCインバータ・パワー段には、STの60V低オン抵抗Nチャネル・パワーMOSFETであるSTL7DN6LF3が採用されており、最大6Aの出力でモータを駆動することができる。
※2 STM32F031C6 マイクロコントローラや3相インバータ・ドライバなど、モータ制御において重要な回路を集積したシステム・イン・パッケージで、小型のVFQFPNパッケージ(7 x 7mm)で提供される。STM32F031C6には、位置決めを可能にするベクトル制御(FOC)機能とMODBUS通信用のファームウェアが搭載されている。また、パワー・マネジメントおよび電流検知回路も組み込まれている。
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