2015年12月16日(水)ヤフー株式会社の、
体験イベントでは、ユカイ工学の「BOCCO」や活動量計の「MISFIT」などのすでに公開済みチャンネルとの連携デモンストレーションの他、この日12月16日より新たにチャンネルとして追加された、家電をスマホから遠隔操作できる「iRemocon」やWi-Fi機能を搭載した鍵型のスイッチ「Hackey」とmyThingsとの連携デモンストレーションが展示された。
まずmyThingsとはどんなサービスか。
myThingsは「Connect Everything(全てをつなげる)」をコンセプトとして、さまざまなIoT製品やWEBサービスのAPIを集めた事業者向けプラットフォームサービスで、モノとサービス、サービスとサービス、モノとモノなど、自分が使用しているIoT製品やWEBサービスを組み合わせて、利用者自身のオリジナルの便利な使い方を生み出すことができるサービスだ。
参考記事
モノ同士のつながりをサポートしていく -Yahoo! JAPAN myThings インタビュー
Yahoo! JAPAN、IoT時代に向けた事業者向けプラットフォーム構想を発表 新たな体験を提供するユーザー向けスマホアプリ「myThings」も公開
iRemocon × myThings
iRemoconは、2011年に発売された、スマートフォンから自宅の家電を遠隔からコントロールすることができるネットワーク型リモコン端末だ。この端末を家に設置すると家庭内の赤外線リモコンでコントロールできる機器がほぼすべて遠隔から制御することができるようになる。もちろんタイマー機能もあるので一度設定をしておけば自動的に家電を制御してくれる。
iRemoconにはオリジナルのアプリが用意されていて様々な設定をすることができるのだが、myThingsとの連携でその利用シーンがさらに広がった。
例えば、myThingsに「雪が降ったらクリスマスソングを流す」という設定がしたい場合を考える。myThingsに「トリガー」と呼ばれる発動条件でエリアと天気を設定し、「アクション」と呼ばれる実行条件でiRemoconを利用して音楽プレイヤーにあらかじめセットした音楽を流す設定を行う。すると、Yahoo天気で「雪」となった日にiRemoconが音楽プレイヤーを自動的に再生し、クリスマスソングをかけるということができる。
iRemoconからみると、今回のmyThingsとの連携により家電を制御するmyThingsでいうトリガー(Yahoo天気やヤフオク、知恵袋などのYahooサービスのほか、ツイッターやFacebook、Gmailやぐるなびなどで設定した条件)の種類が増える、ということが大きな変更点だ。
参考記事:グラモ、高機能版『iRemocon Z Wi-Fi』をBtoB向けに販売開始 ~ECHONETLite対応機器制御機能搭載、HEMS機器とも連携~
Hackey × myThings
Hackeyは、鍵をひねるだけで指定先へHTTPリクエストを送信したり、逆に外部のWebサービスからHTTPリクエストを受信するとHackeyに内蔵したLEDを点灯させることができる、株式会社Cerevoが10月28日に発売したばかりのキースイッチ型デバイスだ。
例えば、共働きなどの家でこのHackeyを子供に持たせておくとする。子供が外から帰宅、外出した時にそれぞれ鍵をONにしたりOFFにする。そうすると、外で働いている両親は自分のスマートフォンに外出した/外出から戻ったなどの通知を受け取ることができるのだ。
同じくHackeyを利用したオフィス向けデモンストレーションが展示されていた。例えばOfficeの各自のデスクにHackeyを設置する。社員は出勤時、退社時にキーをON/OFFするとそれぞれの時間を指定したEVERNOTEに記録がされるというデモンストレーションだった。このケースでは、記録先は自由に開発できるとのことだ。
参考記事:Cerevo、Webサービスと連携する小型の鍵スイッチ「Hackey」発売~ヤフーの「myThings」にも対応。API利用で独自サービス連携も可能~
BOCCO × myThings
BOCCOは2015年9月8日にユカイ工学が発売したメッセージのやり取りをできるコミュニケーションロボットだ。このBOCCOは11月18日よりmyThingsと連携ができるようになり、様々な条件の組み合わせで、BOCCOが音声で通知を話してくれる。
デモンストレーションでは、指定したエリアの気温が設定より下がったらBOCCOが「さむいよ~風邪に気を付けてね。」と話をしてくれた。
参考記事:ヤフーのモノとサービスとの新たな“組み合わせ”を提供するスマホアプリ「myThings」と、ユカイ工学の進化するコミュニケーションロボット「BOCCO」が連携スタート
IoTはカッコよさより、温かさ -ユカイ工学 青木CEO インタビュー
MISFIT × myThings
スタイリッシュなデザインと手ごろな価格が魅力的な活動量であるMISFITもmyThingsと連携するデバイスの一つだ。目標設定した歩数や消費カロリーが超えたりワークアウトの感覚があくことなどをトリガーとして設定ができる。アクションとしてはメールやTwitterなどの通知に加え、先に紹介したBOCCOにメッセージを話させたり、iRemoconでの家電制御、Hackeyへの通知が行える。
参考記事:MISFIT、エレガントな美しさと常識を覆す性能を併せ持つ 進化したファッショナブルな活動量計『SHINE 2』(シャインツー)を発売
IDFCクラウド × myThings
myThingsは標準的にラインナップされているチャンネルやガジェット以外に、IDCフロンティアのIDCF Cloudを利用することで、自作デバイスとmyThingsをつなぐことができる。
この鳩時計もデモンストレーション用にRaspberry Piをベース制作されたもので、myThingsのトリガーで鳩が窓から顔を出す。制作期間も3か月程度であったとのことだ。
myThingsのサービスが開始されてから約5ヶ月でいくつかのIoT関連デバイスとの連携ができるようになった。それで、全く異なる個々のIoTデバイスが簡単に連携することができるようになった。
その連携による利用シーンは、自分の生活の中で必要な組み合わせをアレンジすることができる。
これからもmyThingsがいろいろなデバイスと連携していくことでその組み合わせや、活用方法は無限に広がっていく。
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1975年生まれ。株式会社アールジーン 取締役 / チーフコンサルタント。おサイフケータイの登場より数々のおサイフケータイのサービスの立ち上げに携わる。2005年に株式会社アールジーンを創業後は、AIを活用した医療関連サービス、BtoBtoC向け人工知能エンジン事業、事業会社のDXに関する事業立ち上げ支援やアドバイス、既存事業の業務プロセスを可視化、DXを支援するコンサルテーションを行っている。