株式会社国際電気通信基礎技術研究所(以下、ATR)は、NEDOの技術開発事業の一環として、「ロボットスケートパーク」環境を整備した。
これは、人がスケートボードなどスポーツを実施する際の脳波・筋電・モーションキャプチャなどのデータ収集と、ヒューマノイドロボットによる学習実験を同時に実施できる環境だ。
具体的には、人やロボットのためのスケートボードランプ、人やロボットがスポーツをする際の安全設備、人やロボットの動きを計測するシステム、人の筋肉や脳の機能を同時計測可能とするワイヤレス計測システムなどが設置されている。
また、今回整備した「ロボットスケートパーク」にて、ATRが開発中の「サイボーグAI」を搭載したヒューマノイドロボットにより、曲率に変化があるような複雑な環境内において、人の運動をまねる動作の生成を達成したのだという。
加えて、人が同様のスケートボード運動を行っている際の脳波・筋電などの生体信号を計測した結果、ポンピングやキックターンなどの運動が脳活動に関連があることも分かった。
これは、脳が制御する運動の単位に関わる可能性があり、ロボットが人をまねて学習する際に利用可能な要素であるだけでなく、人のスポーツの熟練度などの評価の目安となる可能性があるとしている。
さらに、人とロボットの運動を計算機上のサイバー空間で比較し、両者の類似性を視覚的に評価可能なソフトウエアを構築した。
ATRは今後、国立大学法人京都大学、国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下、産総研)と共同でこの環境を活用し、協働作業が可能なAI搭載ヒューマノイドロボットの実現に向け、ロボット搭載用AIの身体制御能力と、瞬間的な判断能力を評価する研究に取り組む予定だ。
なおNEDOとATRは、2024年度に「ロボットスケートパーク」環境で収集したデータを活用したコンテストの開催を予定しており、連携して同コンテストのデータ整備のための調査を実施しているとのことだ。
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