内田洋行ビジネスITフェア2024

NIST、IBMが開発したアルゴリズムを耐量子計算機暗号標準に採用

米国商務省の国立標準技術研究所(以下、NIST)は、量子技術の不正利用によるサイバー攻撃から暗号化データを保護するための耐量子計算機暗号標準に、新しいアルゴリズムを公開した。この新たなアルゴリズムは、IBMが開発した2つのアルゴリズムが含まれている。

この耐量子計算機暗号標準には、3つの耐量子計算機暗号アルゴリズムが含まれており、「ML-KEM」と「ML-DSA」の2つは、IBMの研究者が業界および学術界のパートナーと協力して開発したものだ。

公開された3つ目のアルゴリズム「SLH-DSA」 は、その後IBMに入社した研究者によって共同開発されたものだ。さらに、IBMが開発した4つ目のアルゴリズム「FN-DSA」 が、将来の標準化に向けて選出されている。

NISTは、「FN-DSA」 を4番目の公式標準として公開するために評価を継続する一方、耐量子暗号アルゴリズムのツール・キットを多様化するための追加アルゴリズムの特定と評価を続けているとしている。

また、追加アルゴリズムの中には、IBMの研究者によって開発された他のいくつかのアルゴリズムが含まれており、IBMの暗号研究者はこれらのツールの拡張を率先して行っているとのことだ。

なおこれには、新たに提出された3つのデジタル署名スキームが含まれ、これらのスキームはすでにNISTの検討対象として受諾され、初期評価中だ。

IBMは、「NISTが新たに公開した標準は、パブリック・ネットワーク上で交換されるデータの保護、および認証のためのデジタル署名を目的に設計されている。今回正式に承認されたこの標準は、世界中の政府や業界が耐量子サイバー・セキュリティー戦略を採用し始める上での青写真となる。」としている。

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