5Gで無人ブルドーザーを遠隔操作

コマツは、高速・大容量・低遅延の特徴を持つ5Gのモバイルネットワークと光回線と利用した無人ブルドーザーの遠隔操作のデモンストレーションを披露した。
前述の油圧ショベルとクローラダンプと同じく、8 km離れた「コマツIoTセンタ東京」にある無人ブルドーザーを、展示会場に設置されたコクピットから遠隔操作した(上の画像)。
オペレータの前にある複数のモニターには、ブルドーザーに搭載された4つのカメラで撮影した車両前後と左右のブレード、その施工する地形の3Dグラフィック画像などが表示されている。
また、車両の前後左右にある4つのカメラ映像を合成し、ブルドーザーを上方から360度俯瞰できる「フライングビュー」のモニター画面も表示。ほぼ死角のない自由視点での遠隔モニタリングが可能となっている。
5Gのネットワーク技術はNTTドコモが提供している。「フライングビュー」はOKIが新たに開発し、今年の5月にNTTドコモと共同で実証に成功していた技術だ。
カヤックと共同開発、AR/VRソリューション

また、コマツはカヤックと共同開発中のソリューションを2つ紹介した。
一つは、ARと位置情報を組み合わせたスマートフォンアプリ「ランドレポート」だ。スマートフォンのカメラから見える現場空間に、ヒトの位置や作業の進捗状況をARで重ねて表示し、情報を共有することができる。
会場では「現場メモ」という機能を体験することができた。コマツの展示会場にある各ブースの前で専用のスマートフォンをかざすと、水色のARアイコンが登場する。それをスマートフォン上でタップすると、自分の立っている位置や各ブースの位置を示す地図画面と、タップしたブースの説明内容が表示される。
また、このアプリには各現場ごとにチャットを行える機能があるため、現場ごとに大事な記録を残したり、他の作業者とリアルタイムで情報共有をしたりできる。

もう一つは、VRソリューション「ホロジオラマ」だ。
「ホロジオラマ」は、ドローンで測量して得た地形データから現場と同じ環境を仮想空間に再現し、それをVRゴーグルを用いて見ることが可能。その場にいるような感覚で現場を確認・管理できるとともに、仮想空間上で地形データ(ジオラマ)を共有しながらディスカッションや会議を行うこともできる。
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。