スマートシティというと、その言葉からも街全体の最適化であったり、例えば公共交通機関の待ち時間なくシームレスな移動ができ、カメラやセンサーでセンシングしたデータから、防犯情報が家族へ通達されたり、家電が天候や外気温・湿度から最適な室温を調整・自動制御したり・・・といったイメージを抱くかもしれない。ただ、突然スマートシティを実現するといっても、膨大なデータ量、そもそもの実現方法、規模からもなかなか進まないのも現実だ。
そういったスマートシティの取り組みにおいて、大規模ではなくとも小規模な実証実験やサービス化からスタートし、積み重ねていくことも重要だ。今回は、スマートシティ事例の一つとしてトイレについての取り組みを紹介したい。
トイレについて、知らない人はいないであろうと思うので、さっそく事例を紹介する。
空き状況の見える化事例
[参考記事] バカン、IoT活用で多目的トイレの空満状況をマップ表示するサービスを川崎市での国際競技大会で提供トイレで多く活用されている活用法といえば、空き状況確認だ。このバカンのサービス「THRONE(スローン)」はマルイや、都内を中心に駅ビルを開発しているアトレでも導入されており、目にしたことがあるかもしれない。
特に、商業施設では食事スペース外にトイレがあるため、昼どきや夜の時間帯は食事する利用者が増えれば当然、トイレの利用者も増える。たくさん飲んでしまった時に限ってトイレが空いていない、といった状況は回避できるならしたいものだ。
トイレデータと様々なデータを組み合わせて活用する事例
[参考記事] LIXILとソフトバンク、スマートビルにおけるパブリックトイレのデータ活用に関する共同実証実験をスタートLIXILとソフトバンクは、各トイレとトイレ関連機器の稼働データと施設内の人流データの組み合わせから清掃効率や、故障検知といった取り組みを行っている。こういったイベント会場もしくは会場付近は人の流れが日によって突発的に増える。
今回の取り組みはヤフオク!ドーム内での取り組みであるが、例えばイベント種類によって、男性が多いイベント、女性が多いイベントといったイベント属性データが事前に提供されているのであれば、そういったデータも加えたうえで、トイレの事前配分ができることを期待したい。
きれいさを見える化した事例
年始に、IoTNEWSでは、CES2019のレポートとして、TOTOの展示を取り上げた。
[参考記事] TOTOの公共トイレの見える化 ーCES2019レポート12ここでは、トイレ周りの状況を見える化するという展示が行われていた。トイレの空き状況管理であれば、現在既に様々なビルでも取り組みが行われているが、ここのポイントはトイレにおける「きれいさ」を見える化している点にある。
どのタイミングで、どのトイレを掃除すべきかがわかれば、トイレ清掃業者の作業効率はもちろんのこと「きれいなトイレに入りたい」という利用者側のニーズも満たせる。
また女性にとっては、トイレで化粧直しのため使用することも考えれば、トイレという空間が過ごしやすいというのは非常に重要で、「トイレを選ぶポイント」になる。東京メトロの有料化粧室コーナーも使用したことがあるが、マルイや、ルミネといった商業施設のトイレのほうがより快適なトイレであったのは、きれいさに加えてアメニティや試供品、アロマの香りを使い「より長居したい」心をくすぐるからだろう。
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