バルセロナで開かれた、MWC(モバイル・ワールド・コングレス)レポートの第二回は、LPWAに関してだ。
前回の記事でも、NB-IoTには触れたが、LPWAというの国内でもLoRaWANや、SigFoxが知られている。
そもそもLPWAの規格としてはいくつも種類があるが、よく言われるポイントとしては、データ転送速度が遅く、飛距離が長いということだが、以前の記事でも掲載した、実際にLPWAの専門子会社をもつソラコム社が行った実験の数々を見ていると、遮蔽物があると案外飛ばないということもわかってきている。
そんなLPWAだが、国内では、LoRaアライアンスといわれる団体に所属しているm2bコミュニケーションズや、昨年ソフトバンクもサービス提供を開始し話題を呼んでいる。
また、少しなじみがないかもしれないが、フランスのActilityという企業からも目が離せない。前述したソフトバンクのLoRaWANサービスにも、ActilityのThingParkというIoTプラットフォームが利用されているのだ。
そんな中、昨年末京セラコミュニケーションズがフランスのSIGFOXが提供するLPWAを日本で展開するということになった。現状フランスやスペインを中心に、32カ国で展開しており、日本国内でも20社以上のエコシステムパートナーと共に展開してくということだ。
既にフランスやスペインではLPWAを活用した取り組みがスタートしており、実際にどういうシーンで利用されているのかについてヒヤリングを行った。
LoRaWAN
LoRaWANを活用したIoTプラットフォームを展開するActilityによれば、「エネルギー・ユーティリティ」「スマートビルディング」「スマートシティー」「高精度農業」「ロジスティクス・交通」「ファクトリー4.0」の分野で使えるとしている。
バルセロナ市における物流網にGPSトラッカーを配置し、LoRaWANを活用したIoTプラットフォームであるThingParkで情報を収集して、管理画面上に状況を表示するというデモを行っていた。
また、実際にどういう現場で使われているのかという事例がデバイスと共に展示されていた。
さらに、LoRaWAN用のアンテナ設備も展示されていた。
Actility以外にも、LoRaアライアンスとしても、対応デバイスに関する展示を行っていた。
例えば、orbiwiseのセンサー(下写真)では、長いコードで繋がれたセンサーを地中に埋め、水道管をセンシングする。通信に関しては地上にでているLoRaでの通信が可能なデバイスを使って通信をしているということだ。
Sigfoxの展示はほとんどなく、商談コーナーしかなかったため別の機会に対応デバイスなどの紹介をしていく。
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。