NEDOのグリーンイノベーション基金事業「CO2を用いたコンクリート等製造技術開発プロジェクト」の一環として進められている、鹿島建設株式会社(以下、鹿島)、デンカ株式会社、株式会社竹中工務店が幹事会社となるコンソーシアムCUCOは、コンクリートの製造過程で排出される二酸化炭素(以下、CO2)の排出量が実質ゼロ以下となるカーボンネガティブコンクリートの開発を進めている。
そして今回、鹿島と共同実施先の株式会社セイア、日工株式会社、株式会社北川鉄工所は、カーボンネガティブコンクリートの製造と、その実証を目的とした専用のコンクリート製造プラントを、兵庫県加西市に建設し、運用を開始した。
これによりCUCOは、CO2の排出量削減、固定、吸収に資する多種多様な材料で構成するコンクリートを、実規模で試験製造できるようになった。
また、同プラントには、コンクリートの製造に必要な水や電力の使用に伴うCO2排出量を検証できる設備も備えている。コンクリート材料の輸送、計量、練混ぜ、炭酸化養生、排水処理の各段階における電力消費量を計測し、コンクリート製造時における全てのCO2排出量を見える化するシステムだ。
これによりCUCOは、コンクリートの製造過程で発生するCO2の総排出量を正確に把握し、CO2を効果的に低減するための技術開発も可能になったとしている。
なお、同プラントでは、2024年1月からコンクリートの製造時に消費する電力量を把握し、その低減策の検討を開始した。この成果は、一般的なコンクリート工場においても応用可能で、製造コストの抑制にもつながるのだという。
さらに、多種多様なカーボンネガティブコンクリートの製造性を実証する場として、プレキャストコンクリート製品、レディーミクストコンクリートを問わず試験製造を行っていく計画だ。
無料メルマガ会員に登録しませんか?
IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。