東京建物・テクサー・シリコンテクノロジー、クラウド型スマートビル管理システム「Dynamic Building Matrix」の実証実験を開始

東京建物株式会社と株式会社テクサー、シリコンテクノロジー株式会社は、クラウドとZETA通信(※)を利用したスマートビル管理システム「Dynamic Building Matrix」(以下、DBM)の実証実験を東京建物日本橋ビルにて開始した。

DBMは、ビル管理業務に必要な情報を統合可視化するクラウド型のビルディング・マネジメント・システムである。業務管理システム、設備・資産管理システム、3D空間可視化プラットフォームなどで構成されており、ビル内の状況、点検業務、空気環境など、ビル管理に必要な情報をデータ化して統合可視化する。紙などアナログな媒体に分散して記録されていたデータのデジタル化と統合を進め、経験則に頼っていたビル管理業務の最適化を促進する。

今回の実証実験では、東京建物日本橋ビルにおいてDBMの各機能を活用し、ビル管理業務の高度化・効率化に向けての効果検証を行う。同時に、ビル管理の視点からDBMの改善点を洗い出し、改善および機能拡張を推進する予定だという。同実証実験の詳しい内容は以下の通り。

  1. 業務管理システム(Tracker)の検証
  2. 今回の実証実験では、「モバイルアプリケーションの活用による点検作業時間の削減」と「故障や異常発生時の正確な共有、対応の迅速化、記録の蓄積」の効果検証を行う。

    従来の点検は、管理員が点検用紙と筆記用具に現場で結果を記録し、その記録をパソコンに転記していた。高所にある設備等は脚立やはしごを使っての点検が多く、安全管理上の不安が生じるケースもある。それらの点検業務の一部をTrackerのモバイルアプリケーションで実施することで、転記の手間の削減や作業の安全性向上を図る。

    今回、日本橋ビルにおいて点検箇所等も含めて約400箇所に位置情報が埋め込まれたQRコードやNFC(Near Field Communication:近距離無線通信)タグを設置する。管理員がスマートフォンでそれらを読み取るだけで、点検記録や異常報告のなどの位置情報が自動的に入力されるほか、遠隔地でも点検や異常報告の結果をリアルタイムに確認することができる。

    東京建物・テクサー・シリコンテクノロジー、クラウド型スマートビル管理システム「Dynamic Building Matrix」の実証実験を開始
    モバイルアプリケーション画面
    東京建物・テクサー・シリコンテクノロジー、クラウド型スマートビル管理システム「Dynamic Building Matrix」の実証実験を開始
    NFCタグの設置状況
  3. 設備・資産管理システム(Sentry)の検証
  4. Sentryは、IoTセンサーなどを用いて設備や施設内の状態を管理するための機能モジュールで、センサーからのデータを蓄積しグラフなどで可視化することで、設備の状態などを分析することができる。また、データが一定値を超えた場合は、メールやSMSなどで通知をする機能を備えている。

    従来は、排水ポンプや各種タンクなど設備の状態を管理員や清掃員がビル内を巡回して点検・確認・補充等を実施していたが、今回、ZETA通信を利用したセンサーを日本橋ビルに約50台設置し、センサーからのデータを基に巡回や補充の頻度を減らすなど作業の効率化の検証を行う。

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    Sentry ZETA通信インフラとセンサーの設置例
  5. 3D空間可視化プラットフォーム(Seer)による東京建物日本橋ビルの3D化表示の検証
  6. 従来のビル設備では設備ごとに監視盤やモニターが設置されており、全ての情報を一目で把握することは困難だった。DBMでは、設備の状態や点検結果などの多様な情報が3D化した日本橋ビルモデル上に統合表示されるため、大型モニターでビル全体の状況を容易に把握する事ができる。これにより管理員はビルに対する知識や経験の差に拘わらず、課題が発生している場所、状況などを容易に把握できるようになる。

    また、DBMではクラウド上に情報が蓄積され遠隔地からでもビルの状態を確認できるため、他拠点に駐在する経験豊富な設備員から遠隔でサポートを受けることも可能となる。これらにより、ビル管理員の負担軽減やノウハウ共有、処理の迅速化が達成できるかの検証を行う。

    東京建物・テクサー・シリコンテクノロジー、クラウド型スマートビル管理システム「Dynamic Building Matrix」の実証実験を開始
    点検業務の進捗監視
    東京建物・テクサー・シリコンテクノロジー、クラウド型スマートビル管理システム「Dynamic Building Matrix」の実証実験を開始
    センサー情報とアラート情報の監視

なお、効果の検証後は対象点検業務の拡大、センサーの追加などによる更なる高度化や効率化を検討する予定としている。

※ ZETA通信:ZiFiSenseが提唱しているLPWAの規格で、超狭帯域(UNB: Ultra Narrow Band)による多チャンネルでの通信が可能、メッシュネットワークによる広域での分散アクセスが可能、双方向での低消費電力通信が可能などの特長をもつ。

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