毎年4月にドイツ、ハノーバーで開催される産業向け展示会がハノーバーメッセだ。IoTの世界では、インダストリー4.0華やかかりし昨今、その中心となるドイツ企業がどのような考え方で、どういうサービスラインナップを揃えてきているのかを中心に調査を行った。
ハノーバーメッセになじみのない方のために補足をしておくと、主に製造業のためのイベントで毎年4月末にドイツ・ハノーバーで開かれる。
産業機械や、産業機械の部品を中心に展示されているが、昨今は自動化などの産業機械の高度化を支える技術の展示も多い。
ハノーバメッセ2017 レポート:
製造業の最前線 製造業におけるデジタルエンタープライズのあり方 設計・製造のデジタライゼーション つながる産業機器のネットワーク[近日公開]
日本からも、FUNUCやDENSO、KAWASAKIや三菱電気、日立、エプソンなど多くの産業機械を提供する企業が出展していた。
中でも、オムロンの卓球ができるロボットや、デンソーのけん玉をするロボットなど、制御技術の高さを示す展示には人だかりができていた。


そんな中、注目が集まっていたのは、機械学習を活用した画像処理で、例えば品質検査のためのカメラの高度化を支える技術や、ロボットと人が共存する製造現場を実現するための安全制御の展示、産業機械をネットワークに接続するためのネットワーク技術の展示、産業用PC、PLC、MESといった産業機器を制御するための仕組みなどが展示されていた。

他にも、実用化に向けた業務用3Dプリンターや、ロジスティクス倉庫や工場で使われる搬送ロボットなどデバイスも興味を引いた。



他にも、日本でも最近展示が多い、VRやMRを活用した保守作業のデジタル化なども目立っていた印象だった。
肝心のインダストリー4.0関連はというと、「製造のデジタル化」というテーマについては大手企業を中心に多く展開されていたが、クラウドサービスまで含めた広範囲なソリューションを展示する企業は少なかったといえる。
シーメンスに代表されるような、川上から川下までの全体をサポートした展示を行っている企業から、自社の産業機器のデジタル化だけを展示した企業までさまざまなレイヤーが混在しているので、今回のレポートは、レイヤー別に解説しながら各社の展示に触れていくこととする。
ハノーバメッセ2017 レポート:
製造業の最前線 製造業におけるデジタルエンタープライズのあり方 設計・製造のデジタライゼーション つながる産業機器のネットワーク[近日公開]
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。