先日開催された、JAPAN IT WEEKのレポート、第4回は安川情報システムとLOCIX(ローシックス)が行ったセミナー「高精度・屋内測位が拓く次世代IoT」について紹介する。
LOCIXは屋内における位置情報の認識・視覚化を実現する省電力無線センサ技術を保有しており、安川情報システムはLOCIXと業務提携を行っている。
誤差30cmの位置情報特定システム
位置情報の想定を既存のシステムで行う場合は電波の反響が発生しないような屋外が想定されていることが多い。しかし、オフィスなどの環境には壁などがあり電波の反響などは避けづらい。そこで、ローシックス社は、複雑な環境を考慮し、電波の反響を選り分けての測位を可能にしたというのだ。
ローシックス社でのテストでは、Wi-fiでの測位では20mから50mの誤差が出るというのだ。10mの誤差が出ると屋内でどの部屋にいるのかの区別もできなくなるが、ローシックス社の場合、30cm程度の誤差で測位ができる。
このような精密な位置情報の特定が可能とするためには、例えば400㎡の敷地の場合、4つの位置情報の基準点となるアンカーを設置し、このアンカーの位置を正確に登録する。これによって位置把握のための電子タグとアンカーからの距離を測定することで正確なタグの位置が特定可能となる。
フォークリフトなど人以外のアセットでもタグをつければ位置の把握が可能になり、社員とアセット、双方の位置が電子タグで把握できていればアセットの利用率などを把握することも可能になる。
低電力無線カメラ
今回紹介されていたカメラは母艦となるデバイスを設置することでカメラ自体は無線での運用が可能となる。
サイズは60×60×34(mm)と省スペースで母艦との通信にはIEEE 802.15.4準拠(920Mhz帯)が使用される。また動作検知として赤外線センサーを搭載しており人の往来を検知することが可能ということだ。
オプションとして温度センサーを付けることで部屋の温度がどれくらいかの把握も可能であり、人の測位、温度感知を組み合わせることで部屋から人がいなくなった場合にエアコンの機能を制限するなどの連携も可能である。
人とカメラの位置の測位をすることで誰が物を持ち出したかの把握でき、カメラでの顔認証で部屋に誰が入ってきたか、部屋の利用が許可された人間かの判別も可能になる。
これらのローシックスのサービスの、日本でのソリューション構築は、安川情報システムが担うということだ。
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コンサルタント兼IoT/AIライター 人工知能エンジン事業の業務支援に従事するかたわら
一見わかりにくいAIの仕組みをわかりやすく説明するため研究中