LINEとNECの戦略にみる、AIの実装のために必要な2つのコト —IoTConference2018レポート2

LINEは、「Clova WAVE」や「Clova Friends」などの自社のスピーカー製品だけでなく、Clovaのスキル開発、デバイス開発向けのプラットフォームをそれぞれサードパーティ企業向けに展開している。

前者は、企業がClovaを使って新しいアプリケーションを作成できる基盤で、パートナー契約を結んだ企業への提供となる。後者は、企業がClovaを搭載したハードウェアをつくるためのインターフェースで、近いうちにオープンにしていく予定だという。

砂金氏は、企業がAIプラットフォームを活用する際のポイントとして、用途に応じた使い分けが大事だと指摘した。具体的には、「問い合わせに回答する」、「接客応対で情報を聞き出す」、「ストーリーで楽しませる」、「多様性・意外性を重んじる」といった分類ができ、それぞれの目的に合致したAIがあるとして、各企業のAIの特徴についても紹介した。

最後に砂金氏は、「繰り返しになるが、AIはデータが命。ユーザーが望んでいる声を、”生の声”を、AIに学習させる環境をつくれるかどうかが大事。そして、最後は集まってきたそのデータの量で決まってくる」と語り、講演を締めくくった。

AI+”ノウハウ”がイノベーションをもたらす

企業がいま、AIの実装のために必要な2つのコト —IoTConference2018レポート2
日本電気株式会社(NEC) IMC本部 本部長 中尾敏康 氏

続いて、NEC IMC本部 本部長 中尾敏康氏が登壇。「AIが加速するデジタルトランスフォーメーション」という題目で講演を行った。

入社以降、IoTやAI分野の研究開発や戦略立案に関わってきたという中尾氏。現在は、今年の4月に発足したIMC(Integrated Marketing Communication)本部の本部長をつとめている。

「NECといえば、従来はものづくりの企業というイメージがあった」と中尾氏。しかし、NECは2014年に「社会ソリューション」を提供する企業になると、方針を打ち出した。その「社会ソリューション」強化のため、顧客と密にコミュニケーションをとりながらマーケティングを進めていくのがIMC本部だという。

中尾氏は、まず注目すべき社会の状況として、「2050年に起こる地球の変化」を説明。OECD、IEA、農林水産省、国連のデータをもとにNECが公開した資料によると、「2050年には”地球2つ分”の資源が必要」になるという(たとえば、食糧需要は現在の1.7倍、エネルギー需要は1.8倍)。また、こうした状況に伴い、世界ではデジタル化やAIの進化が急速に進んでいる。

そうした背景の中、NECが進める「社会ソリューション」の中核として据える戦略が、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」だ。この言葉には、「デジタル」:AIやIoTなどの先進デジタル技術を活用し、「トランスフォーメーション」:ビジネスや社会をより良い方向に「変革」すること、といった2つの意味が込められているという。

NECが進めるDXの基盤となるのが、AI技術群「NEC the WISE」である。NECは1960年代からAIに関連する研究を進め、指紋認証や顔認証といった技術を先駆けて開発してきた。これらの個々の技術を2016年に「NEC the WISE」として統合し、ポートフォリオの拡張を続けている。