海上での通信には衛星通信を利用することが一般的だが、衛星通信は地上での通信環境と比べて遅延が大きく、さらに天候や海の状態によって通信が不安定になることもある。また、衛星通信の利用料金は高額で、データを送受信するためには多くのコストが発生していた。
こうした中、古野電気株式会社は、KDDI株式会社と連携し、航空宇宙メーカであるスペースXが提供する衛星ブロードバンドインターネット「Starlink(スターリンク)」の海上利用向けサービス「Starlink Businessマリタイムプラン」の取り扱いを開始した。
「Starlink」は、スペースXが運用する数千機の低軌道周回衛星を使って通信網を構築することで、従来の衛星通信よりも高速化を実現するサービスだ。
今回新たに「Starlink Businessマリタイムプラン」のサービス提供を開始することで、大型商船やクルーズ船、漁船・小型船舶など、海上での高速かつ安定した通信環境を提供する。通信範囲は世界のほぼ全域をカバーしており、海上のどこからでも通信が可能だ。
通信環境の改善により、天候や海流情報の取得、緊急時のスムーズな連絡など、航海時の安全面を向上させるほか、高速な通信環境によって船舶と港、他船間でのリアルタイムな情報共有を促進する。
また、古野電気は同プランの販売に加え、導入時の船内IoTネットワークのデザインから衛星通信環境の構築、アフターサービスを担う。
今後は、古野電気が提供する各種システムやサービスと組み合わせることで、船上から得られるデータのさらなる有効活用を提案していく計画だ。
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