スマートフォンの契約数は日本の人口を超え、端末は一人一台以上は持っている時代となった。次に続くデバイスとしてウェアラブルやスマートスピーカーなど、様々な新たな商品が生まれている。
そうした中、スマートホームに注目が集まっている。IDC調べでは、2019年年のスマートホームデバイスのグローバル市場は前年比23.5%の成長だという。
手軽に取り入れられるスマートホームデバイスとしてはスマートスピーカーが有名だが、その他にも様々なデバイスやサービスが登場している。
電力消費の管理こそ、スマートホームの本命だった
もともと、スマートホームというと家の電力消費を管理するようなものを指していた。
家ナカでの電力消費はもちろんのこと、ソーラー発電や、電気自動車など家の外での電力供給や電力利用を含めて、統合的に管理、可視化することで無駄な電力消費をなくし、電気代を節約するだけでなく、持続可能な社会を実現するという考え方だ。
その中心には、HEMS(ヘムス)と呼ばれるデバイスがあって、家にかかわる電力消費をするデバイスはこれにすべてつながる。
その結果、単に電力消費を管理するだけでなく、家電機器もコントロールするような製品も登場してきているのだ。
では、どんなサービスがあるのか、今回は手軽に取り入れられ、導入すると電気料金が安く上がるかもしれないモノを紹介する。
家電量販店で買えるスマートホーム
まずはヤマダ電機がソフトバンクの子会社であるエンコアードジャパンと連携して開始したホームIoTサービス「YAMADAスマートホーム」だ。
[参考記事] ヤマダ電機とエンコアードが連携、ホームIoTサービス「YAMADAスマートホーム」をヤマダ電機の全直営店で取り扱い開始できることは、電力の可視化・節電アドバイス、マルチセンサーによる宅内の見守り、遠隔での家電コントロールだ。
電力の可視化は、分電基盤に「エネトーク」というモジュールを設置することで、家の電気使用量をリアルタイムに測定し、専用アプリより可視化することができる。
そしてエネトークにより測定した1秒ごとのエネルギーデータの波形を独自のAI(人工知能)で解析し、節電のアドバイスをしてくれる。
宅内の見守りは、温度・湿度・照度・加速度を測るマルチセンサー「エネトークタッチ」を宅内に設置することにより、玄関のドアの動きを感知して帰宅の通知、室内温度を測り熱中症の危険通知、窓の開閉の動きを検知し異常通知など、外出先からでも自宅の把握ができるため、子供や高齢者の見守りとして利用することができる。
遠隔での家電コントロールは、「家電リモコン」というモジュールと、「エネトーク」を連携させることで、「エネトーク」のアプリでエアコン・照明・テレビなどの家電を遠隔で操作することができる。
この「YAMADAスマートホーム」はヤマダ電機の全直営店で販売しており、機器代金:14,800円 (税別)と月額使用料:980円 (税別)で使用することができるという。
様々なものとつながることで新たな価値を見出す
次に紹介するのはパナソニックライフソリューションズが提供する、HEMSゲートウェイと設備モニターを一体型にした中核機器「AiSEG2(アイセグ2)」だ。
[参考記事] パナソニックがスマートホーム機器「AiSEG2」を機能強化、電気自動車普通充電設備やスマートスピーカー等と連携このAIとディスプレイが搭載された「AiSEG2」に、スマートメーターやスマートスピーカー、各家電など、対応している機器に無線LANなどで接続することで、一元管理・可視化することができる。
最大の特徴は、24社34機器という多様なメーカーの機器に対応していることだ。これによりユーザーは従来持っていた機器を活用したり、新たな機器を買う際にも幅が広がる。
一元管理を行っていることで、外出の際に連携している家電全てをOFFにしたり、洗濯機の運転終了時に3時間後、6時間後、9時間後の天気予報も知らせてくれ、外干しと部屋干しのどちらがよいか判断することができるなどのメリットがある。
また、電気自動車を持っている家庭には嬉しいアップデートが今年の8月に行われた。
住宅用電気自動車普通充電設備「ELSEEV hekia S Mode3」と太陽光発電システムの連携が行えるようになり、AiSEG2が翌日の天気予報を確認し、翌日の電気自動車の発電量と使用電力量を判断してくれる。
余剰電力がある際は自動的に電気自動車を充電する「AI ソーラーチャージ」機能も搭載し、電気料金プランに合わせて電力料金の安い時間帯に自動で充電することができる。
このように様々なものがつながり、情報が共有されることでの新たな価値訴求を行っており、今後もアップデートがなされ、便利になっていくことが期待できる。
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