ワイヤレスジャパン2015で、アプリックスIPホールディングス株式会社(以下、アプリックス)の広報宮川さんにお話を伺ったシリーズの3話目(最終話)をお届けする。
※1、2話は下記
1.IoT腹筋でレコーディングダイエット
2.Wi-FiルーターやNetworkスイッチを、簡単にBluetooth/Wi-Fiゲートウェイにアップグレードできるソフトウェア
ー先日IoTNEWSで取り上げた、お知らせビーコンを見せていただけますか?
※先日の記事「家庭やオフィスの安心安全を300円で!」
※お知らせビーコンとは
お知らせビーコンとは、家電製品などの機器に組み込むことで、機器の状態変化を検知し、付加情報とともにタイムリーにスマートフォンに通知。ネット上の豊富な情報を活用し、利用者へ提供することで、人々の生活を豊かに、便利にするアプリックス社のIoT技術。
宮川さん(以下、宮川)「こちらになります。地震速報を受信すると、電気が点灯している時には照明が点滅して、安全確保のための動作を自動的にするという技術をはじめて展示しています。
就寝時(電気を消している時)に地震速報を受けた場合は、点灯しますので、例えば玄関まで安全に非難できるようになります。」


ー今、オール家電の家などはすでにそうなっていますよね。
宮川「はい、そうですね。ただオール電化の導入は高額でなかなか多くの方には取り入れにくいものだと思っています。弊社のコンセプトでもあるのですが、アプリックスは一人暮らしの方や、オール家電などが対応できないご家庭でも取り入れやすい価格として、300円でこの技術を提供しています。」
ー個人でお知らせビーコンを購入し、家電製品につけることはできるんですか?
宮川「いえ、弊社はBtoBの会社ですので、メーカーさんに販売をしております。」
ーでは、生活者はお知らせビーコンが入っている製品を購入すると、この機能が使えるんですね。
宮川「はい、そのとおりです。」
メーカー側は、すでにある既存の商品にこのお知らせビーコンを後付けするだけでよいそうだ。
次に、展示されていた暖房機器についてお話を伺った。
ーこれはどういった製品ですか?
宮川「お知らせビーコンは組み込む製品を選ばないので、例えば、こういった暖房器具に緊急速報が入ってくると、自動的に電熱器をシャットダウンし、冷却動作に入ります。そのあと地震が起きて倒れたとしても発火を防ぐことができます。」
今回は、緊急災害時に何らかの通知によって家電製品が、自動で対応する技術を見せていただいた。メーカー側は既存製品に取りつけるだけなので、このお知らせビーコンのモジュールを取り入れやすく、さらに生活者の手に届きやすい価格で提供されるので、一気に広がる可能性がある。IoTで災害を最小限に減らすことができれば、私たちは今まで以上に安心して暮らすことができる。
そして今、スマートホームというキーワードも徐々に広がっているが、これからは、照明や暖房機器などの家電が自分で考え、そこに住む人に合った生活スタイルを演出してくれるようになるだろう。
アプリックスの設立は1986年。携帯電話端末の開発用ソフトや、コンテンツ開発を手掛け、組み込み型Javaソフト「JBlend」は、国内外で8億台を超える携帯電話やスマートフォン(スマホ)で活用されている。2000年にはJ-フォン(現ソフトバンク)の携帯電話に全面採用された。
その後、フィーチャーフォン(ガラケー)の落ち込みを受け、それに代わるスマートフォン事業を立ち上げた。ちょうどAppleが2013年9月にiBeaconが標準搭載されたことを受け、ビーコンモジュールを2013年11月に開発し、日本で最初に提供している。
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