Salesforce IoTCloudでできること ーdreamforce 2016レポート①

毎年サンフランシスコで行なわれている、Salesforce社のイベントdreamforceだが、今年はご多分にも漏れずIoT関連情報があつい。

第一回目はSalesforceのIoTCloudの展示をレポートする。

Salesforceのことをあまり知らない方のために補足すると、もともとはセールスフォースオートメーションズといって、主にルートセールスの営業マンを管理するためのソフトウエアだった。そこから、CRMのコンセプトとともに発展してくるのだが、クラウドの波をいち早く感じ取り現在では、クラウドサービスとして日本でも多くの企業が導入している。

このシステムの特徴としては、いち早くクラウド化したということと、スマートフォンなどのモバイル対応が充実しているということ、可視化ツールとしての機能が豊富で詳しいプログラミング知識がなくてもPCやモバイルを活用した可視化ソリューションが作れるというところだろう。

それで、IoTCloudも主にデータを吸い上げた後の表現を例にして、できることがどういうことなのかという具体的なイメージを湧かせるための展示となっていた。

以前の記事に、Salesforceを用いた事例をインタビューしたものがあるので見て欲しい。
IoTは顧客とつながるための究極の技術 -セールスフォース・ドットコム 執行役員 関氏インタビュー(1/2)
IoTは顧客とつながるための究極の技術 -セールスフォース・ドットコム 執行役員 関氏インタビュー(2/2)

スマートシティにおける活用例

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この事例では、レゴでつくられたパーキングにミニカーが止まっている状況がわかる。この状態においては、パーキングは満車になっており、上の管理画面でもわかるように、”Parking Full”という状態が100%(つまり、満車の状態)となっている。

そこで、1台ずつ出庫していき、3台とも出庫されると、5秒後にはステータスが変化し、逆に”Empty”となるのだ。

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さらに、車が出庫しているので、出庫後の車のための信号は青くなり、後続のクルマがこないよう、後方の信号は赤に変化する。

コンテナでのスマート農業

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FREIGHT FARMSという企業が提供する、コンテナ上の野菜栽培施設と連携したサービスの展示だ。このコンテナの中には多くのセンサーが搭載されており、状態をSalesforceにアップロードしてくる。

Salesforce上では温度や湿度、CO2濃度など農作物の発育に必要な情報が表示されている。そして、あらかじめ登録されていたルールに基づいて野菜にとって問題のある状況(例えば温度が高すぎるなど)が起きた場合に、自動的に情報を管理者に通知するということだ。

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産業機器の状態監視

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この展示では、製造業において、ロボットがSalesforce上で管理されているということをイメージしている。

ロボットはロボット自体に取り付けられたセンサー(左上)と、ロボットのコントローラーのそれぞれから情報(左下)がアップロードされ、クラウドで管理されている。また、クラウド上では部品の在庫状態やメンテナンス要員の稼働状況も管理されている(右)というイメージだ。

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この管理画面における円形のものは、”Evaluating(評価)”, “Controller AppもRobotも故障していない”, “Robotは故障しているが、Controllerは故障していない”, “ControllerもRobotも故障している”, “プロファイルを更新する”というケースを指していて、矢印の順番に処理が行われる。

はじめに、総合評価を行い故障が起きた場合、矢印の順番に内容をチェックする。上図の場合、ControllerもRobotも故障しているというステータスになる。そして、これを検知したら、あらかじめ設定されたルールに従って、資材を発注したりメンテナンスマンを手配したりと様々な処理を行うのだ。

柔軟なデータ可視化とルールベースの処理に注目

多くのデータを処理し、必要な状態を可視化、ルールに従ってさらに情報を処理していくことができるSalesforceだが、IoTにおいて収集される多くのデータを処理することを期待されている。国内でも他のクラウドサービスとの連携事例が多くでてきているが、単体ですべての処理をするのではなく、複合的にクラウドサービスを組み合わせることができるところもSalesforceの魅力といえる。

また、アルゴリズムを組み込むことで、予兆保全などプロアクティブな行動を行うための設定も可能ということで、今後の利用事例が楽しみでもある。

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