東京都では、2018年度から自動運転技術と先端的なICT技術などを組み合わせたビジネスモデルプロジェクトの支援を実施している。
株式会社Mobility Technologies(以下、MoT)、株式会社ティアフォー 、損害保険ジャパン株式会社(以下、損保ジャパン)、KDDI株式会社、アイサンテクノロジー株式会社の5社は、将来の自動運転タクシーの事業化に向けて、人に優しいユニバーサルデザイン仕様のJPN TAXI車両に自動運転システムを導入し、公道での安心・安全な実証実験をするための準備を2019年11月から進めてきた。
今般、5社は東京都の「令和2年度自動運転技術を活用したビジネスモデル構築に関するプロジェクト」に採択されたことを受け、2020年12月8日~12月23日に5Gを活用した自動運転タクシーの実証実験を西新宿エリアで実施する。
同実証実験では、自動運転システムを導入したタクシー専用車両「JPN TAXI」における複数台の同時公道走行の実用性や、複数の乗降場所の中から出発地・目的地を設定した際の最適ルート判別機能の有効性を検証する。具体的には、下記の乗降場所より乗車場所と降車場所を指定のもと、専用モバイルアプリから即時配車にて乗車できる。
- 京王プラザホテル
- 東京都庁 第二庁舎ロータリー
- 新宿中央公園(水の広場)
また、5Gを活用した遠隔監視システムで複数台の車両の状態をリアルタイムでモニタリングする。なお、7日間は関係者参加、5日間は一般参加による実証実験である。
自動運転車両への乗車を希望する際は、募集期間中に専用サイトで必要事項を入力の上応募し、抽選にて決定となる。当選すると専用モバイルアプリから指定された時間帯に自動運転車両に対して配車をリクエストでき、配車が成立したら自動運転車両に乗車できるようになる。
同実証実験における各社の役割は以下の通り。
- ティアフォー
- オープンソースの自動運転ソフトウェア「Autoware」を活用した自動運転タクシー車両の開発
- 自動運転車両を運行するために必要な配車管理システム・遠隔監視システムなどの周辺システムの開発および提供
- 自動運転車両のセーフティドライバー・システムオペレーターの提供
- MoT
- 自動運転車両を活用したサービス展開(エンドユーザー向けマーケティング、配車アプリ開発など)
- 配車・遠隔監視などの運行管理システムの開発(バックエンド・アプリ側)
- サービスオペレーションセンターの体制構築
- 損保ジャパン
- 自動運転タクシー運行にかかるリスクアセスメント
- 遠隔ドライバー・自動運転車両オペレーター用設備であるコネクテッドサポートセンターの活用
- 自動運転車両向け保険の提供
- KDDI
- 自動運転向け通信基盤(5G、LTE、固定回線など)の提供(通信基盤の検討の一部は株式会社KDDI総合研究所が担当)
- 配車アプリと連携したマルチモーダルプラットフォームによるサービス展開
- 配車・遠隔監視などの運行管理システムの開発
- アイサンテクノロジー
- 自動運転タクシー用の高精度3次元地図の提供
なお、エリアマネジメント組織の一般社団法人新宿副都心エリア環境改善委員会、および交通事業者の荏原交通株式会社、帝都自動車交通株式会社、日本交通株式会社、日の丸交通株式会社は、実証実験にオブザーブ参加し、自動運転技術を活用したビジネスモデルの構築や新たなまちづくり、運行管理などに関するアドバイスを行う。
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