KDDI・筑波大学・関東鉄道・アイサンテクノロジーなど、つくば市で自動運転バスの走行実証を実施

政府は、多様なエリアで多様な車両を用いた無人自動運転サービスを、2025年度までに50カ所以上、2027年度までに100カ所以上で実現することを目標に定めている。また、自動運転技術を活用した持続可能な移動サービスを構築するため、地域づくりの一環として行うバスサービスなどの自動運転化に向けた経営面、技術面、社会受容性などの実証を推進している。

茨城県つくば市では自動車が主な交通手段となっているが、少子高齢化などによりバスなどの公共交通機関の役割は年々増大している。一方、路線バス事業を行う運行事業者は、運転手不足が大きな問題となっており、既存公共交通の維持が難しい状況となっている。

このほど、つくば市と国立大学法人筑波大学、関東鉄道株式会社、KDDI株式会社の4者は2023年10月11日、国土交通省公募の令和4年度「地域公共交通確保維持改善事業費補助金(自動運転実証調査事業)」に採択されたことを受け、4者と自動運転バス実証の協力会社であるアイサンテクノロジー株式会社、株式会社ティアフォー、SOMPOリスクマネジメント株式会社、損害保険ジャパン株式会社(以下、損保ジャパン)を含めた8者は、2024年1月9日から2024年1月30日の間、筑波大学において自動運転バスの走行実証を実施する。

同事業は、2023年度には筑波大学周辺における周回ルートにおいて、レベル2の自動運転バス車両(車両定員10名)による走行実証を実施し、地域の皆さまの受容性確認や区域内の技術的・地理的課題抽出を行う。また、車載センサだけでは死角が発生することが予想される一部交差点において、道路に設置したカメラなどで検知した道路状況を自動運転バスへ情報提供する路車協調システムとの連携を行い、有効性や実用性について評価を行う。

KDDI・筑波大学・関東鉄道・アイサンテクノロジーなど、つくば市で自動運転バスの走行実証を実施
2023年度の自動運転バス走行想定路線
KDDI・筑波大学・関東鉄道・アイサンテクノロジーなど、つくば市で自動運転バスの走行実証を実施
2023年度走行予定の自動運転EVバス(GSM8)
地域の受容性確認や、車載センサと道路設置カメラの協調システムの技術検証、遠隔監視体制を構築することで、つくば市における運転手不足などの公共交通の課題解決と持続的成長に寄与し、2025年度のレベル4自動運転バスの実現を目指す方針だ。

同事業における各者の役割は以下の通り。

  • つくば市:事業全体の企画、進捗管理、成果測定など
  • 筑波大学:フィールドおよび遠隔監視拠点の提供
  • 関東鉄道:自動運転バスセーフティドライバーの役務提供
  • KDDI:事業全体の企画、進捗管理、成果測定、自動運転に関わる通信の提供
  • アイサンテクノロジー:3次元地図の提供、自動運転に係る知見の提供
  • ティアフォー:自動運転車両提供、自動運転技術支援、オペレータ提供
  • SOMPOリスク:第三者リスクアセスメントの提供
  • 損保ジャパン:リスクアセスメントの実用化に向けた検討、自動運転専用保険の提供

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