KDDI株式会社とトヨタ自動車株式会社は連携し、人流や車両のビッグデータ、過去の事故情報などのオープンデータをAI分析し、危険地点を見える化するソリューション(以下、危険地点スコアリング)を、2024年春から提供開始すると発表した。
両社は、2020年10月30日から共同で、通信技術およびコネクテッドカー技術の研究開発などを行っており、今回、「危険地点スコアリング」「クルマと自転車の位置情報を活用した接近通知『Vehicle to Bike』」「つながる みまもりセンター」の社会実装にむけた取り組みを進める。
「危険地点スコアリング」は、KDDIが保有する最小50m単位・最短数分間隔で収集される位置情報とスマートフォン契約時の本人確認情報に基づく属性情報、トヨタが保有するプローブデータと車載ネットワークデータ、道路特性や交通事故発生数などのオープンデータをAI分析し、危険地点をスコアリングして可視化するものだ。これにより、データに基づいた効果的な対策を始め、さまざまな交通安全業務に活用できる。

「Vehicle to Bike」は、自動車・二輪車の位置情報を基に、危険な交差点に複数車両が同時接近した際に運転手へ事前通知する技術だ。(トップ画参照)
この取り組みでは、自動車・二輪車の位置情報を基に、危険な交差点に複数車両が同時接近した際に運転手へ事前通知する技術を開発する。スマートフォンの通知音・バイブレーション・警告画面を通じて、車載センサによる警報・被害軽減ブレーキだけでは防ぐことが難しい見通しの悪い交差点での交通安全に貢献する。
これにより、余裕を持った減速が可能なタイミングでの通知を実現するため、検索処理の軽量化と同時接近判定ロジックの高速化により低遅延化を実現した。
また、「危険地点スコアリング」と組み合わせることで、危険な交差点でのみ通知を発生させるほか、危険な交差点との距離に応じて位置情報の更新頻度を増減し、スマートフォンの電池持ちを向上させている。
なお、2023年2月1日から2023年2月28日まで、東京都板橋区の公道において実証実験を実施しており、その結果交差点への進入速度が平均で10.1km/h減速する効果があることが確認された。
「つながる みまもりセンター」は、KDDIのネットワーク情報とトヨタの車両情報・サーバー情報など、コネクティッドカーに関する運用情報を横断的につなげ、個車単位の状況を把握するものだ。これにより、通常と異なる通信パターンを検知し、個車影響軽減・回避対策を実現していく予定だ。

今後の取り組みとしては、2024年2月5日から液浸冷却技術を活用した小型データセンターを設置し、大容量データをネットワークエッジで処理するフィールド実証を実施するとしている。
また、2024年2月20日から2024年5月31日まで、「モビリティ体験価値の拡張」のテーマにおいて、友人・知人と共同編集できるコミュニケーション型おでかけ計画サービス「おでかけデザイン」、およびARグラスお試しモニターのトライアルサービスを実施する予定だ。
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