IoTをゼロベースで考えるの第11回は、東京モーターショーをテーマにクルマの未来を考える。
東京モーターショー2015の開幕に合わせて、一足先に今年の旬を見てくる機会を得た。
TESLAの発売開始以降、一般の方にも広がりつつある、「つながるクルマ」。2020年の東京オリンピックに向けて日本でも自動運転カーの実用化が期待される中、各社様々な取り組みを公開した。
各社にインタビューしたところ、「安全」というキーワードが目立った。
自動運転の技術も「安全」に走行するための技術だという考えを述べることが多く、まだまだ自動運転後のサービスや、プライベート空間で移動する楽しみ、といったところまで踏み込んでいる企業はなかった。
安全の中でも、衝突安全の技術はかなり前から実現されており、テレビCMでも障害物があると自動的に停止するというものを見かけたことがあるのではないだろうか。
これに関しては、「ミリ波レーダー」というセンサーをつかった技術を使っている企業が目立った。ミリ波レーダーは、自分のクルマの近くに他のクルマや障害物があることを検知する仕組みだが、そのなの通り、波長が1~10mm程度で、周波数が30G~300GHz(ギガヘルツ)の電波を利用する。電波は対象物に反射すると、その対象物の距離や方向、サイズといった情報を検知できるようになるのだ。
例えば、クルマのエンブレム部分に搭載する。
他にも、フロントグラスのバックミラー付近に付けられたカメラを使って、車線の情報を捉えて道路の中心部をきちんと走行するための技術も紹介されていた。
このように、各社安全をうたうなか、NISSANは初公開のコンセプトカーを展示した。(トップの画像がそれだ)
形も近未来的だが、なにより自動運転するとダイナミックに運転席の状況が変わるというギミックを作り込んでいて、ムービーで自動運転の楽しさも紹介していた。
上段はマニュアル運転時、下段は自動運転時のコックピットだ。
自動運転時の大画面スクリーンには、エンターテイメント情報なども流れ、移動中も楽しめるということだ。
後続する記事でそれぞれのメーカーの取り組みは紹介していくが、現実的にはまだまだ衝突安全の域を超えておらず、自動運転カーがお披露目されるのにはもう少し時間がかかりそうだという印象をうけた。
早く、各社が研究している自動運転の技術を楽しみたい。
東京モーターショー2015での各社のIoTの取り組み
[第11回]クルマの未来はどうなるのか?東京モーターショー2015
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。