キリンビール株式会社は、株式会社ブレインパッドとともに、キリンビールのSCM(Supply Chain Management)業務プロセスにICTを活用する「MJ(未来の需給をつくる)プロジェクト」を、2022年10月より始動させている。
両社は、このプロジェクトの第1弾として、2022年12月に共同開発した「資材需給管理アプリ」を運用していたが、本日、第2弾として、2023年7月より「製造計画作成アプリ」の運用を開始することを発表した。
通常、製造計画作成業務は、直近1~2週間先や数ヶ月先の製造計画を作成した上で、最終的には足元の出荷動向を踏まえた日々の製造数の調整・確定を行っているが、今回の「製造計画作成アプリ」は、その中の直近1~2週間先の製造数量を算出するアプリだ。
従来のシステムでは、担当者が、直近の出荷実績と今後の需要予測、在庫数量などのデータを確認し、各自でエクセルなどを使い、手作業で製造数量を算出していた。
算出時は、工場での製造要件や倉庫保管能力などのさまざまな制約条件を加味する必要があるため、複雑かつ負荷が高く、業務経験のある担当者しか対応できない業務となっていた。
「製造計画作成アプリ」では、この複雑な製造数量算出工程を自動化するとともに、人間の目による最終チェックを効率的に行うためのアラート機能を実装することで、業務における属人性の解消と、業務効率化を目指す。

キリンビールは、「製造計画作成アプリ」の導入による効果について、製造数量作成業務の標準化を実現するとともに、約70%の業務時間を削減し、年間1,000時間以上の時間創出を見込んでいるとしている。
また、今後は「製造計画作成アプリ」の開発で得た知見を活かし、数ヶ月先~日々の調整に至る製造計画作成業務の全行程に対象を広げていく計画だ。
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