PoCの壁
「Speed is Money」の時代では、実証実験で小さく導入し、大きく育てていくPoCが、昨今とても重要なものとなってきているという。
しかし、よくあるPoCの壁というものも存在すると入交氏はいう。
例えば、見えていなかったものが見えてしまい、そこから犯人探しが始まるため、現場の協力を得られないことなどだ。
また、たとえPoCで成果が出たとしても、本番稼働の流れが不連続だと、関係者の熱が冷めてしまうこともある。
簡単IoTは、特に、すぐに効果が出る反面、すぐに飽きてしまう傾向もあるということだ。
そこで、これらの課題に対応するには、少人数でやらず、周りの協力を巻き込むような社内宣伝などが大事になるという。
さらに、PoCが終わった後に、そこから、さらに設備の総合管理することや、ERPと合わせて原価の見える化を実施するなどといった2、3手先のシナリオも同時に組んでおくと良いということだ。
モノと作業のトレーサビリティ
東洋ビジネスエンジニアリングでは、IVI(インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ)の共通データモデルを活用したエンジニアリングによる、ものづくりプラットフォームの実現を目指しているという。
IVIでの実証実験を元にモデルを簡素化し、MES、スケジューラ、PLM/PDM、EDI、会計など他システムとのシームレスな連携を実現させるそうだ。
IoT導入のポイント
入交氏はIoT導入で大事なポイントについて、「デバイス」「業務」「IoTプラットフォーム」「アプリケーション」の4つをまとめるエンジニアリング能力だと述べた。
4つの分野を全部分かればベストだが、全てを深い部分まで分かる人は殆どいないという。
最後に、入交氏は、「エンジニアリングとは、組合せの妙である」とし、「複合価値の創出ができるようなIoTを導入するのが重要だ」と述べ、講演を締めくくった。
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