内田洋行のデジタイズの始まりは、1925年の「計算尺」だという村田氏。それから、90年の時が経った今、会議室の施設予約のデジタイズを進めているというのだ。
よくある話だが、会議室の予約を以前は「予約台帳」という名のノートを使っていたというのだ。今回、IoTを使ってこの予約台帳と、施設予約をデジタイズしたという事例について紹介された。
まず、施設予約のIoT化に置ける恩恵は、「予約状況が見える」「管理が楽になる」「課金がしやすい」ということだそうだ。かなり良くなったかと思い、実際にその場に行ってみると、実態は予約が入っているはずの会議室が空いている場合があるのだという。多くの理由は、サバを読んで長く部屋を押さえておく、または、不要になったのに取り消し忘れているなどだという。
グループウエアなどとの連携が難しいという状況があったものの、グループウエアと会議室の前にアンドロイドタブレットを置いて多くの会議室に導入したということだ。
グループウエアはExchangeを使っているということだが、それとつなぐことで、ドアの前のタブレットで入室ボタンを10分押さないと予約が解放されるという機能を実現できたということだ。また、現地で空いていた場合、その場で利用も可能となったという。
デジタイズが計れたということで、利用状況分析してみると、各部署毎の会議室の利用分析もできるようになったり、自動キャンセル率がどのくらいかということも部署毎にでるようになったため、不要なキープに対して注意も促せるのだという。
統計的に調べると半分くらいの会議室が空いていることもわかったというのだ。そこで、空室率を減らすことで相当な無駄なコストを削減することができる。なぜなら空にしている状態でも賃料は発生しているので、空室率を下げることは全体でみれば大きなコスト削減となるからだ。今後は、来客から会議室全体のデジタル化も促進すればよいと考えている、と村田氏。
もう一つ、オフィスのデジタイズということで、白板で書いたものをスキャンした画像をメールの添付ファイルとして送信される。
地方創生にからめて、山形県高畠町の熱中小学校では、この会議室予約システムをつかって教室予約システムを導入した。タブレットにはSORACOMのSIMをいれてインターネットに飛ばしているのだという。
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。