在庫管理でサプライチェーンの最適化を目指す

次にスマートショッピングの林氏からスマートマットという在庫管理や発注を自動化するというサービスの説明がなされた。
スマートマットは在庫専用の体重計だ。特徴はなんでもおける汎用性と、電池仕様のためどこにでも置けるという点だ。
ブラウザで動くソフトウェアがセットになっており、重さをベースに残量がどのくらいか、在庫の推移、入出庫や消費といった在庫管理の基本的なデータが見られる。

また、在庫がある一定の量まで減った際、補充のアラートが飛び、自動発注を行う。自動発注のためのメールファックスとの連携はデフォルトでついており、その他の通信でも、Webとシステム連携すれば自動発注が可能となる。
そのため棚卸し、発注の作業はなくなり、届いたものを補充するだけというシステムだ。
特に生鮮・惣菜の在庫管理は、RFIDなどを貼りづらいため、重さで管理できることが重宝されているという。また、冷蔵庫内に人が入るという作業は重労働であるため、スマートマットが役立っている。
さらに大型の倉庫内であれば何がどこに置いてあるのか場所を紐付け、管理することができる。
業種は小売業のバックヤード、病院、ホテル、飲食など、保管庫があるところに導入されている。またゴミ箱やビュッフェの食材の残量など、在庫に限らず、サプライチェーン全体のボトルネックに使えると考えているという。

販売モデルは月額制で、初期費用と別に1枚500〜1000円での販売をしており、人件費の削減にもなっているという。
林氏はIoTビジネスをやってみて、シンプルなハードと賢いソフトが重要だと話す。ハードをシンプルにすることで、サービスコスト・メンテナンスコストが下がり、その分ソフトウェアで操作するという発想だ。
また、センサーをつけでデバイスからクラウドへデータを飛ばすという一方向の考えではなく、双方向でのやり取りこそがIoTだと話す。スマートマットでは、クラウド側から計測の日時指定や頻度指定ができる。
現在はWi-fiを使った仕様だが、年内にSimを搭載したモデルを展開していきたいと語った。
無料メルマガ会員に登録しませんか?

現在、デジタルをビジネスに取り込むことで生まれる価値について研究中。IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。