ウェザーニューズとトヨタ、コネクティッドカー情報を用いて道路凍結を推定する実証実験を開始

冬型事故におけるスリップ事故の割合は9割前後にものぼり、スリップ事故に繋がる道路の凍結は、車の安全運転に大きく影響する。このため道路管理事業者は、道路への積雪や凍結が予想される場合には、除雪や凍結防止剤の散布を行い、スリップの防止措置を行う。

しかしながら、道路の凍結箇所の把握は道路管理者の定点気象観測や巡回、ライブカメラ等による目視が主で、凍結箇所を全線で網羅的にかつリアルタイムで把握することは非常に困難とされてきた。また、スリップの起きやすさを直接的に推定する手法もほとんど存在しないのが現状である。

株式会社ウェザーニューズとトヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)では、ウェザーニューズが持つ気象データとトヨタのコネクティッドカーから得られる車両データを活用して、気象観測・予測精度の向上やドライバーの安全性向上を目指す取り組みを実施している。その取り組みの第一弾として、2019年10月に道路冠水検知の実証実験、第二弾として2019年11月にワイパーデータを用いた実証実験を行った。

そしてこのほど、両社は車両データと気象データから道路の凍結箇所を把握するための実証実験を47都道府県で開始した。

今回実施する実証実験では、車のブレーキの稼働状況や走行データ等を用いて車輪がスリップしたとみられる箇所を検出し、その場所の気温や降雪・降雨などの気象データと合成することで、道路の凍結箇所を推定する。

路面が凍結しているかどうかは気象データのみでは判断できない一方で、車輪のスリップの要因も複数考えられるため、スリップの検出だけではその場所が凍結しているかどうかは判断することができない。車両データと気象データの双方を掛け合わせることにより、車輪のスリップに繋がる道路の凍結箇所の推定が可能になる。2020年1月19日、都内を含む関東で雨や雪が降った事例では、車両データにより合計5,026件のスリップが検出された。

また、同実証実験では凍結箇所の推定結果を「路面凍結推定マップ」としてウェブサイトにリアルタイムで公開する。また、ウェザーニュースアプリのユーザーから寄せられる天気に関する報告や写真、コメント等を元に推定結果の検証及び精度向上のためのシステム改良を行う。

路面凍結やスリップのおそれがある地点をサイト上にリアルタイムで公開することで、個々のドライバーの安全運転に役立つとともに、同実証実験を通じて簡易で網羅的に道路の凍結状況を把握することができるシステムを構築し、道路の安全管理への貢献とドライバーへの注意喚起などを通じた交通事故の防止、長期の立ち往生の回避など、安全な道路通行に寄与することを目指す。

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