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クルマ主体の本当の自動運転を実現する各社のコンセプトモデルが集結 -東京モーターショー2017レポート①

1954年に「全日本自動車ショウ」として産声をあげたクルマの祭典「東京モーターショー」は、今回の開催で45回目を迎える。当時は家庭の「3種の神器」は冷蔵庫、洗濯機、掃除機されていた時代、「夢のまた夢」でしかなかったクルマは63年の時を経て、我々の生活や経済活動には中に欠かせないモノとなった。

自動車業界を取り巻く環境は大きく変化しつつあり、画期的な技術革新が次々に行われることで、次世代のモビリティ社会を迎えようとしている。

自動運転については、アクセルを離しても設定した一定の速度で走行することができたり、衝突を避けるために障害物に近づくと自動的にブレーキが発動したりするような「運転におけるひとつの操作を支援」する、レベル1と定義される機能は多くの車種に搭載されてきている。

さらには、前方のクルマを自動的に追従して一定の距離を保つよう自動的に加減速してくれるような「ドライバーが周りの状況を常に把握した状態で複数の操作を支援」してくれる、レベル2と定義される自動運転技術を搭載した車種も徐々に発売されている。

これがレベル3になると、道路環境などの条件や非常時は人間が対応するという「条件付自動運転」となり「支援」から「自動運転」になる。

レベル2まではドライビングの主体はヒトであるが、レベル3からはクルマが主体となっており、レベル2とレベル3では大きな壁があると言われている。日本国内ではヒトではなくクルマが運転の主体となると法整備や保険の考え方も変えていかなければならないため、技術革新とあわせてこれらも平行に行わなければ実現されないのである。

「第45回東京モーターショー2017」では、完全に自動運転を実現できるレベル5の自動運転技術の搭載を見据えたコンセプトモデルが、さまざまな会社から発表された。

本レポートでは、そんな未来を見据えた次世代コンセプトモデルを中心に紹介をしていく。

TOYOTA もっと愛のつまったパートナーへ「TOYOTA Consept-愛i」

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今年の1月にCESに出展された、人工知能搭載の「TOYOTA Concept-愛i(コンセプト・アイ)」が東京モーターショーにも登場した。

人工知能を応用し、ドライバーの感情認識や嗜好推定を行う「人を理解する」技術を搭載し、人とクルマがパートナーの関係となる未来のモビリティ社会を具現化したモデルとなっているようだ。

具体的には、ドライバーの表情や動作、声色などから複合的にドライバーのその時の感情などを推定したり、SNSや車内での会話履歴などからドライバーの嗜好を理解する。

こういった情報を活用し、例えばドライバーのストレスが高く危険な状態であれば、自動的にマニュアルドライブモードから自動運転モードに切り替わるなど、ドライバーを安全に導く。

搭載されているエージェントの「ユイ」に指示すれば、すべての情報はフロントガラスに映し出されるため、後ろを確認するためのミラーなど存在しない。

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また、マニュアルドライブ以外の様々な操作は基本的には、エージェント「ユイ」との対話によるものとなっており、社内にはボタン類が一切ない。クルマがドライバーの趣味嗜好、その時の感情を理解し、状況に応じた自由な会話や、ドライブの提案をしてくれるようで、まさにクルマが単なる乗物ではなく、パートナーに進化する未来がやってくるようだ。

トヨタは2020年には「TOYOTA Concept-愛i」の一部の機能を搭載した車両で、日本の公道実証実験を計画しているとのことだ。

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さらに、TOYOTAは今月16日に「TOYOTA Concept-愛i」シリーズのユニバーサルな小型モビリティとして「TOYOTA Concept-愛i RIDE」と歩行領域のモビリティとして「TOYOTA Concept-愛i WALK」発表しており、今回の東京モーターショーで公開された。

「TOYOTA Concept-愛i RIDE」には従来の場所にハンドルやアクセル、ブレーキはなく、車いすの人でも簡単に運転ができるよう両ひじ掛けの先端がジョイスティックとなっており、これでドライブ操作をすることができる。

20171025_tms005_IoTNEWS「TOYOTA Concept-愛i WALK」は体重移動などをしなくても前頂のスティックだけで操作ができる。また大幅に低床化を実現することで高齢者やスカートの女性でも安全に乗りやすい設計となっているとのことだ。

TOYOTA AUTO BODY 未来のシェアリングを実現「WONDER-CAPSULE CONCEPT」

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「WONDER-CAPSULE CONCEPT」は、カーシェアリングやライドシェアリングの時代を想定し、シェアリングの機能性や利便性をミニマムサイズのカプセル型のクルマにつめ込んだ超小型モビリティだ。

乗車すると自動的にその人に会うようにステアリングとペダルを調整してくれ、正面の直立したスクリーンにはリアルタイムに車両情報や観光情報が映し出される。

SUBARU 自動運転技術普及期を見据えたスポーツセダン「VIZIV PERFORMANCE CONSEPT」

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SUBARUの「VIZIV PERFORMANCE CONSEPT」は、自動運転普及期を見据えて進化型アイサイトと各種デバイスを組み合わせた高度自動運転支援技術をスポーツセダンに搭載し、究極の安全として「自動車事故ゼロ」の実現を追求したコンセプトモデルだ。

アイサイトといえば、ミリ波レーダーではなく優れた認識性能を持つステレオカメラをベースに、左右2つのカメラでクルマや歩行者、自転車、障害物などを立体的に認識し、対象との距離や形状、移動速度を正確に認識することができるのが特徴だ。

現在、自動運転レベル2の「追従機能付きクルーズコントロール」を実現しており、0km/h~100Km/hの広い車速域で先行車を追従走行できるため、完全に止まってしまうような渋滞でも利用できる。

2020年頃までにはこれらの技術をさらに磨きあげ、さらなる高度運転技術支援技術を実現する考えだ。

AUDI LEVEL4の自動運転を完全実現するEVコンセプトモデル「ELaine」

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9月に詳細情報発表したレベル3の自動運転機能を搭載した新型A8モデルはもちろんのこと展示されていたが、さらにその上の自動運転レベル4を実現するコンセプトモデルが「Audi Elaine」だ。

新型Audi A8に搭載される、一定の条件下での運転の完全な自動化を実現した「Audi AIトラフィックジャムパイロット」と呼ばれる機能をさらに拡張した「Audi AIハイウェイパイロット」という高速道路を130km/h以下の速度であれば、車線変更も含む運転操作をシステムが自律的に行える高度な自動運転機能が備わっている。

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「Audi Elaine」の運転席

 

クルマ主体の本当の自動運転を実現する各社のコンセプトモデルが集結 -東京モーターショー2017レポート①
運転する愉しさと自動運転の両方を実現 -東京モーターショー2017レポート②

 

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