ラスベガスで開催されているCES2019のレポート第6弾では、アメリカの大手家電メーカーであるWhirlpoolのIoT家電「CONNECTED HUB WALL OVEN」について紹介する。同製品はCES2019の「Innovation Award」を受賞している。
「スマートホーム」は、技術的には多くのことが実現できても、生活者にとってそれが便利で使いやすくなければ普及はしないだろう。そこで、カギとなるのが私たちのニーズや目的をくみ取ってインテリジェントに働くAIであるとレポート⑤(「VIAROOM Home」の展示に見る、スマートホームの「インテリジェント化」)で述べた(※)。
一方、そうしたハブがインテリジェントに働きかけてくる接点(インターフェース)が生活空間のどこに存在し、日々の生活のなかでどれだけ使いやすいかが今後、重要になってくると考えられる。

Whirlpoolはハブの機能を持つ「CONNECTED HUB WALL OVEN」を開発した。このオーブンは窓がタッチパネルとなっており、自身のスケジュールや料理レシピなどを参照することができる。
料理レシピにおいては、ユーザーのデータをもとに「パーソナル化」された料理レシピを提案するサービス「Yummly」と連携。オーブンのタッパネルから「Yummly」を参照することが可能。
また、レシピの内容に合わせてオーブンの設定を自動で設定できる。たとえば、あるレシピにおいてオーブンの温度が決まっている場合は、自動的にその温度に設定してくれる。

タッチパネルが搭載され、生活に関わるさまざまなアプリケーションを利用できるスマート冷蔵庫では、サムスンの「Family Hub」が知られている(昨年の「CES Best of Innovation Award」を受賞)。今後のIoT家電は、「生活空間のハブ」としてどれだけ使いやすいかが焦点になりそうだ。
■CES2019レポート
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。