昨今、パリ協定に基づき、企業のサプライチェーン全体を通しての温室効果ガス削減目標が策定され、日本においても「2050年カーボンニュートラルの実現」が宣言された。
その後、2021年4月には「2030年度において、2013年度対比から温室効果ガス46%削減」を目標指標に地球温暖化対策計画が改訂され、脱炭素社会の実現が喫緊の課題に挙げられている。
このような動向から、大企業を中心に自社単独にとどまらず、ライフサイクル全体のCO2排出量を算出する取り組みが拡大している。
環境省では今後、企業がサプライチェーン排出量を算定するための3区分のステップにおいて、国内の企業に対するScope1、2に加えて、サプライチェーン全体を対象としたScope3の排出量の表示を求めることから、大企業のみならず中小企業においても製品別のCFPの要請が増加することが見込まれている。
こうした中、株式会社NTTデータ関西は、生産管理システム内のデータやその他の情報を連携し、製品別に二酸化炭素(以下、CO2)排出量を算出して可視化する「BIZXIM CFP(ビズエクシム シーエフピー)」(以下、 BIZXIM CFP)の提供を、2024年12月4日から開始した。
「BIZXIM CFP」は、商品が原材料調達から生産されてエンドユーザにわたり、廃棄・リサイクルされるまでのライフサイクル全体において、製品別にCO2排出量を算出して可視化することができるサービスだ。
なお、ライフサイクル全体の温室効果ガス排出量をCO2に換算する「CFP(カーボンフットプリント)」の積算には、NTTデータ関西が提供している生産管理システム「BIZXIM製番」や、他の生産管理システム内にある「部品表」や「品目情報」等のデータを連携できる。加えて、算出に必要なデータやシステム内の外部情報の取り込みも可能だ。
また、サプライチェーン全体を対象とするScope3までの製品別のCO2排出量を把握することができるため、削減対象の特定とその特徴を理解することができる。自社内のCO2排出量であるScope1、2に加え、上流(原材料調達、物流)および下流(廃棄)のCO2排出量であるScope3までを範囲としたLCA(Life Cycle Assessment)に対応している。
さらに、可視化と分析を行えるBIツール「Tableau」をベースに、CFP算出以外のデータを用いた分析や環境評価をすることも可能だ。
今後は、IDEAや産業連関表に関する情報提供や、BIZXIMラインナップである化学製造業向けWeb型統合基幹業務システム「BIZXIM化学」との標準連携に向けて、順次対応するとしている。
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