ラスベガスで開催されていたCES2019レポート第20弾はオムロンだ。
オムロンは昨年はじめてCESに出展し、出展のユニークさもあり、多くの注目を集めていた。特に注目を集めていたのが卓球ロボ「フォルフェウス」だ。昨年出展していたフォルフェウスは第四世代であり、今年は第五世代フォルフェウスをCES2019で初披露した。

昨年のフォルフェウスはラケットの動きは水平方向のみに限定されていた。そのため、ラリーが続くためには相手をする人がフォルフェウスが打ち返しやすい高さにリターンをすることが必要だった。

第五世代フォルフェウスは第四世代に比べ大きく進化していた。まず垂直方向に動作するようになったため、高さへの対応が可能になっただけでなく垂直に動くようになったことでスピンがかかったボールを打てるようにもなった。さらに展示方法も大きく変えてきた。

対戦相手はブースのスタッフではなく、一般来場者が参加できるようになっていた。第五世代フォルフェウスは相手の動きを読み取る能力が追加されていたためだ。カメラで対戦相手の動きだけでなく、マーカー付きラケットを利用することによって、ラケットの角度や動きを瞬時に読み取り、ボールの軌道を予測するというのだ。
一方で対戦相手の来場者は、フォルフェウスに勝つために、高いボールや強く低いボールを打ち返すため、昨年のようにラリーが続く様子がなかなか見ることができなかった。
開発担当者の八瀬氏によると、フォルフェウスにはオムロンが持つ多くの技術が組み込まれていて、今後も進化をさせていくという。動作の拡張はもちろんだが、卓球選手の動きをもっと学習させることが重要になるため、今後、様々な卓球選手と対戦をさせデータを集めていくということだ。
チェスや囲碁のAIが世界最強の選手に勝つといったニュースがあったが、近い将来、卓球ロボが卓球の世界チャンピオンを破る日が来るのだろう。
■CES2019レポート
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未来事業創研 Founder
立教大学理学部数学科にて確率論・統計学及びインターネットの研究に取り組み、1997年NTT移動通信網(現NTTドコモ)入社。非音声通信の普及を目的としたアプリケーション及び商品開発後、モバイルビジネスコンサルティングに従事。
2009年株式会社電通に中途入社。携帯電話業界の動向を探る独自調査を定期的に実施し、業界並びに生活者インサイト開発業務に従事。クライアントの戦略プランニング策定をはじめ、新ビジネス開発、コンサルティング業務等に携わる。著書に「スマホマーケティング」(日本経済新聞出版社)がある。