ラスベガスで開催されているCES2018だが、レポートの第7弾は日本の企業があつまってそのセンシング技術を紹介しているブースからだ。
Sensing Scapeとなづけられたこの取り組みは、いくつもの企業があつまって様々なセンサー技術を駆使した展示を行っているものだ。
目次
THK ATOMOS sensoroid
THKからは、「人が外部環境から感じる」ということを可視化するという取り組みが発表されていた。
「音や光を人が感じる」ということをどのように表現するかが難しいのだという。実際にはディスプレイにその状態を可視化して、音がなった場所や大きさを検知しているのがわかる。
THK ARGUS MOVA
THKからもう一つ、椅子の座面部にセンサーをつけて座っている人の微小な振動を補足するというデモが行われていた。
このデータをつかって、ストレス状態などもわかるようにしているという。
日立 3D Lidar
日立LGデータストレージからの展示は、小型の3D Lidarだ。
動く人を捉えて、3D空間上に可視化することができるのだが、自動運転カーが走行するときに歩行者を捉える技術として知っている人も多いかもしれない。
小さなデバイスだがかなりの精度で情報を取得できるようで、近くで動く限りにおいては指があるというあたりまで認識できている様子だった。
日立 Lensless Camera
日立からもう一つ、レンズレスカメラの展示があった。
通常、デジタルカメラでは受光部の手前にはレンズがあり、レンズを通して光をあつめ物体を認識するのだが、このデバイスはその名の通りレンズを必要としない。
写真のようにりんごをレンズがなくても薄いフィルターだけで認識することができている。
これは受光部とデジタル処理によって実現されているということだ。
これまでカメラをいれることができなかった薄い隙間などの撮影も可能ということで応用性が高そうだ。
オムロンセンテック EYEART
オムロンからは、EYEARTという覗き込むと視線を追いかけるというデバイスだ。
目は口ほどにもモノを言うというが、目を1,000fpsの速度で追うことで、細かな視線も追いかけることができるという。
パナソニック Pressure sensor sheet
パナソニックからは、シート型の感圧センサーが展示されていた。
感圧シートを曲がるフェルト素材に挟むことで、フェルトの表面を触ると触った圧力に応じた表現がディスプレイ上でされていた。
実際に触ると、微妙な圧力を感じていた。
セミテック Infrared Sensor
セミテックからは、小型の非接触温度センサーが紹介されていた。センサーの前に手をかざすとかなり細かく、かつ高速に温度を取得することができる。
小さな子供の体温などを測定するシーンなどで有効なデバイスだ。
NEC Face Recognition
NECからは、瞬時に顔認識をするという顔認識センサーが紹介されていた。
あらかじめ登録されている1パターンの顔画像をもとに、瞬時に顔認識するというものだ。
利用シーンとしても、通過ゲートをイメージしているということで、高速性があるのが特徴だということだ。
磁界センサー
したから磁気を放射すると、このセンサーを空中にかざした時、その位置や傾きなどがかなり正確に取得することができるというものだ。
センサーの位置を、ディスプレイではヘリコプターの3D映像でイメージさせていた。
DNP Living Wall
DNPは、電子ペーパーと電子インクの技術を使った壁と洋服の展示を行った。
センサーが人を感知すると壁の模様が変わるというものと、人が近づくとモデルの着ている洋服の模様が変わるというデモだ。
一口にセンサーといっても、様々な精度のものがあるが、今回展示されていたセンサーは精度の高いものが多いという印象だった。こういったセンサー技術を応用することで、これまでできなかったことができるプロダクトが製造可能となるのだろう。
参考:sensingnet
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。